先日のお話ですが、歌舞伎座へ出かけて
十二月大歌舞伎の昼の部を拝見してまいりました!
個人的な備忘録として少しばかり感想をしたためておきたいと思います。
このすえひろが拝見したのはAプロで、
「たぬき」「村松風二人汐汲」「阿古屋(玉三郎さん)」という狂言立てでありました。
昨年の12月にも上演された「壇浦兜軍記 阿古屋」
玉三郎さんの「阿古屋」を二年連続で拝見できるとは予想だにしておりませんでしたので、
客席中がおおおおおとなるような空気と、美しい世界に圧倒され感動いたしました。
また今年は文楽の阿古屋も拝見する機会に恵まれたため、
松緑さんの岩永左衛門の人形振りがより楽しく感じられました!
こういった演目で人形振りを残した箇所と普通に人間が演じるようになった箇所、
一体どういった違いがあったのかということが気になり、調べてみようかなと思った次第です。
Bプロの梅枝さん・児太郎さんの阿古屋もぜひ拝見したいところであり、
どうにか幕見席へ行く時間を捻出したいと思っております…!
もうひとつ非常に印象深かったのは中車さんの「たぬき」であります。
こういった切ない人の心がじーんと沁みいる近代の作品には目がありません。
言葉でどうのこうと説明するのが野暮に感じられるような奥深い味わいの作品というのは、
現代の作品ではなかなか出会えない素晴らしいものであると思います。
「たぬき」といえば、三津五郎さんのお姿を最後に拝見した舞台であり、
幕切れの場面で七緒八さんがちゃんだちゃんだと呼ぶ場面で号泣したこと、
逝去なさった際に、あああの芝居が現実になったらどんなに良いだろうか…と思ったことなどが
まるで昨日のことのようによみがえってしまい、ほろほろと涙してしまいました。
続いて夜の部も拝見いたしましたので、また改めてお話いたします!