お正月がもはやはるか遠くに感じられる今日この頃でありますが、
本日26日、歌舞伎座で上演されていた壽 初春大歌舞伎と、
浅草公会堂で上演されていた新春浅草歌舞伎が千穐楽を迎えました!
おめでとうございます!
新春浅草歌舞伎を見てきました
すえひろはこの週末に、新春浅草歌舞伎を昼夜とも拝見してまいりました。
今回の新春浅草歌舞伎は第一部で「寺子屋」第二部で「絵本太功記」「七段目」と、
義太夫狂言の名作がずらりと並んだ狂言立てです。
個人的に特に印象深かったのは第一部「寺子屋」と第二部の「七段目」でしょうか…
「寺子屋」では仁左衛門さんのご指導で松也さんが松王丸、隼人さんが源蔵をお勤めになっていました。
お二人とも声の抑揚であったりかすれ具合のタイミングようなものが
日頃のお芝居と少し違うように思われ、
ご指導の通りになさっているのだろうなということがひしひしと感じられます。
また、ちょっとした首の動きであったり体の角度なども、
本当に細かく写されてお勤めになっているように見えました。
それを拝見して私も、芸談などで仁左衛門さんがおっしゃっている
「心が大事」という言葉の意味を改めて痛感したといいますか…
舞台の上から三階の客席まで役柄の心を届けるというのは、
義太夫の一語一句、三味線の一音一音に合わせて、
一挙手一投足、緻密に緻密に練り込まれた技であるのだなあと深く感じ入りました。
仁左衛門さんのお芝居を拝見するだけでなく、
それを学ばれた同世代の方がお勤めになるのを拝見することで、
観客としての自分の視点も豊かになり、非常に貴重な体験ができたように思います。
お二人だけでなく、新悟さんの千代が寺子屋へ戻ってくる場面も素晴らしく、
かすかな声の震えにドッと感情移入してしまい泣かされました…
もう一度拝見したかったなあと悔やまれます。。。
二段目の「七段目」でも、仁左衛門さんが松也さんの由良之助と巳之助さんの平右衛門をご指導なさったそうであります。
先月、京都の顔見世でちょうど仁左衛門さんの由良之助で七段目を拝見していたため、
書状を読むときのちょっとしたしぐさや太鼓の音など松嶋屋の型の復習にもなりました。
七段目では見立てのひと笑いを入れたりする場合もありますが、
そういった場面はカットされていることで芝居全体がテンポアップしていて、
初めてご覧になる方にはよりわかりやすいように思われます。
巳之助さんの平右衛門のようすからは本当に小心者の哀しさが漂っていて
このすえひろも、彼を東のお供に加えてくだされ…という思いで拝見しておりました…
そのため最後は感動もひとしおなのであります…!ここでも泣かされてしまいました。
米吉さんのおかるも良い具合にぽわんとしていて、非常に良かったなあ思います。
こちらも、初日近くに拝見しておけばよかったと大変悔やまれます…
近年、話題の新作歌舞伎にも数多く取り組まれている皆様です。
古典の中にも脚光を浴びやすい、わかりやすく親しみやすい演目もある中で、
皆様この一カ月あえて重く難しい役に挑まれているのだなあ…と非常にまぶしく感じ、
将来のご活躍に大きな期待を抱きました!