歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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三月をふりかえり… 2020年3月

今日で三月もおわり…いつもならば「ひと月は早いなあ」と感じる月末ですが、今月は特別に長く感じられました。

みなさまいかがお過ごしでしょうか。心配しております。

一日も早く歌舞伎が見られますように

新型コロナウイルスの影響で、各劇場の歌舞伎公演はとうとう全日程が中止に。

最初の中止の発表がなされたころには「このことをブログに書いても数年後にはおぼろげになっているのだろうなあ」などと思っておりましたが、あっという間に、世界を変えてしまうほどの大きな出来事となってしまいました。

 

私自身は元々在宅で仕事をしておりまして、日常生活そのものにはそれほど大きな変化がありません。しかしながら、歌舞伎を見ていないというだけでこんなにも気持ちがしぼんでしまうのかと驚いています。

日々を家で過ごすなかで様々なニュースに触れておりますと、これまで当たり前のように過ごしていた劇場での時間がはるか彼方に遠ざかっていってしまうようで、たまらない悲しみと不安に襲われます。

 

地元にこもりきりになる前にと、三月の初旬に意を決して見に行ったのが「風の谷のナウシカ」でしたので、世界の惨状と現在の東京が置かれた状況を思うにつけ、物語の世界に入ってしまったかのような不思議な感覚を覚えます。物語であればよかったのですが…

 

物語といえば、オリンピックの延期のニュースでは、大河ドラマ「いだてん」で既に自分の中に鮮明な人物像として立ち上がっている金栗四三さんが選手に思いを馳せる視点を届けてくれ、田畑のまーちゃん、そして嘉納治五郎先生が直ちに活動、きっと大丈夫と思わせてくれました。

こういったことからも、自分がいかにフィクションの世界に救われて生きてきたかを痛感します。大きな打撃を受けている文化芸術の世界に補償の措置が取られるよう、自分にできることはなんでもしたいと思います。

 

そのようなことを書いている矢先報じられた、宮藤官九郎さんの感染が心配でたまりません…

もう心配も残念な思いも尽きませんが、今回ばかりは、大切な人の命を守るためこまめに手を洗いながら家の中でじっと耐え忍ぶしかありません。

世界でウイルスの犠牲になる方が一人でも少なく済むように、大好きな方々がどうかご無事であるように、一日も早く劇場へ出かけられるようにと願うばかりです。

 

いつか再び幕が開く日を夢見ながら、今日は休みたいと思います。

近ごろなんだかネガティブになってしまい恐縮ですが、私は来月も変わらずこまめに手を洗いながら歌舞伎のことを考え続けます!!

皆様も何卒お体にはお気をつけてお過ごしくださいませ。

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