現在、松竹株式会社と国立劇場がありがたいことに3月の歌舞伎公演をyoutubeにて期間限定で随時無料公開してくださっています!せっかくのお心遣いですから、何度も何度も拝見し、歌舞伎役者の方々からもりもりと元気をいただきたいですね!
そして、youtubeということは、初めて歌舞伎をご覧になる方や、歌舞伎は敷居が高いなあと思われていた方々にも広く届くことでしょう!
しかしながら、初めてご覧になる場合は何のことやら…ということもあるかと思います。さらに、今後は書店へ出かけるのもご不安かと思われます。
このお心遣いを生かすため自分にもできることを考え、配信中の動画に合わせて、過去にお話したものをひとつまとめてみます。どれもなるたけわかりやすくフランクな言葉を使い、短くまとめるよう努めておりますので、何らかのお役に立てるかと思います。
みなさまの楽しいstay at homeのお役に立てればこんなにうれしいことはございません。こまめに手を洗いながらできる限りおうちで過ごし、一人でも多くの方の命を救いましょう。
私などの解説に動画を張り付けるのもおこがましく思いますので、ぜひyoutubeのサイトを開き、検索バーに下記のタイトルをコピペなさってくださいませ。
タイトル①:【期間限定】国立劇場 歌舞伎『義経千本桜』Aプロ 鳥居前・渡海屋・大物浦 KABUKI “Yoshitsune Senbon Zakura” Program A
タイトル②:【期間限定】国立劇場 歌舞伎『義経千本桜』Bプロ 椎の木・小金吾討死・鮓屋 KABUKI “Yoshitsune Senbon Zakura” Program B
タイトル③:【期間限定】国立劇場 歌舞伎『義経千本桜』Cプロ 道行初音旅・河連法眼館 KABUKI “Yoshitsune Senbon Zakura” Program C
せっかくのありがたいプロジェクトですので、この機会に歌舞伎に興味を持たれる方々が一人でも増え、当たり前の日々が帰ってきた暁には何気ない芝居話ができたらよいなあと夢見ております!
義経千本桜って何?
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)は、1747年(延享4年)11月に大坂は竹本座にて初演された人形浄瑠璃の演目。わずか2カ月後に歌舞伎で初演されました。
初演より270年にわたり愛され続ける名作であり、三大狂言のひとつにも数えられるものです。
「義経」と名がついていますが、源義経は主人公としてそこまでがっつりと登場するわけではなく、各場面に3人の主人公が配されています。
その3人の主人公というのは、「武士・庶民・動物」。
この全く異なる三つの役を演じ分けるのは、歌舞伎役者の方々にとっても相当の力が必要なものだそうです。それをひとつの公演で通して披露なさるというのは尾上菊之助さんの記念すべき挑戦、ファンの方々も心待ちにしていらしたひと月だったのであります…!
物語は全部で五段にもなる長いものですが、最初から最後まで上演されるだけでなく段ごとに単独で上演されることも多いです。どんな場面が上演されるのか、ブロックに分けてそれぞれの特徴を、通称と共にざっくりとご紹介いたします。
<おはなしの前提>
源義経は源平合戦で大きな功績を上げたが、お兄さんの頼朝に疎まれ都を追い出されてしまった。滅ぼされたはずの平家のさむらいたちが源氏への復讐の機会を狙っている。
<ざっくりとした流れ>
・鳥居前:くまどりの男が駆け抜けるド派手な場面
↓
・渡海屋・大物浦:平家のさむらいの無念を描く格調高いさむらいの悲劇
↓
・吉野山:桜の中での美しい舞踊
↓
・すし屋:お寿司屋さんのどら息子が起こす庶民の悲劇
↓
・河連法眼館(四の切 しのきり):親を思う子狐のファンタジー
過去のお話の冒頭や末尾には、それぞれ当時の公演についてのお話など含まれています。
また、上演のタイミングや配役によって微妙に演出が変わったり前後したりすることがありますので、何卒ご了承くださいませ。
Aプロ:鳥居前あらすじ
Aプロ:渡海屋・大物浦あらすじ
Bプロ:すし屋あらすじ
☆下記のあらすじは上方の演出に基づくもので、今回公開されている動画とは演出が異なります。
同じ演目でもさまざまな味わいがありますので、今後もぜひさまざまな配役でご覧になってみてください!www.suehiroya-suehiro.com
江戸と上方の違いを、簡単にお話したのがこちらの回です!
Cプロ:道行初音旅・河連法眼館
「吉野山」と書かれていますが、「道行初音旅」の別名であります!
ちょっとこの2回はあまりに適当が過ぎていてお恥ずかしいのですが、何かの足しになれば幸いです…
河連法眼館については近いうちに改めてお話できたらいいなあと考えております!