歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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【youtubeで公開中!】スーパー歌舞伎Ⅱ 新版オグリ 関連まとめ

現在、松竹株式会社と国立劇場がありがたいことに3月の歌舞伎公演をyoutubeにて期間限定で随時無料公開してくださっています!せっかくのお心遣いですから、何度も何度も拝見し、歌舞伎役者の方々からもりもりと元気をいただきたいですね!

 

そして、youtubeということは、初めて歌舞伎をご覧になる方や、歌舞伎は敷居が高いなあと思われていた方々にも広く届くことでしょう!

しかしながら、初めてご覧になる場合は何のことやら…ということもあるかと思います。さらに、今後は書店へ出かけるのもご不安かと思われます。

 

このお心遣いを生かすため自分にもできることを考え、配信中の動画に合わせて、過去にお話したものをひとつまとめてみます。どれもなるたけわかりやすくフランクな言葉を使い、短くまとめるよう努めておりますので、何らかのお役に立てるかと思います。

みなさまの楽しいstay at homeのお役に立てればこんなにうれしいことはございません。こまめに手を洗いながらできる限りおうちで過ごし、一人でも多くの方の命を救いましょう。

 

私などの解説に動画を張り付けるのもおこがましく思いますので、ぜひyoutubeのサイトを開き、検索バーに下記のタイトルをコピペなさってくださいませ。

www.youtube.com

タイトル①:【期間限定配信】スーパー歌舞伎Ⅱ『新版 オグリ』市川猿之助 フルバージョン @京都南座Super Kabuki II SHINPAN OGURI Full Version

 

タイトル②:【期間限定配信】スーパー歌舞伎Ⅱ『新版 オグリ』中村隼人 ハイライトエディション @京都南座Super Kabuki II SHINPAN OGURI Highlights Edition

 

せっかくのありがたいプロジェクトですので、この機会に歌舞伎に興味を持たれる方々が一人でも増え、当たり前の日々が帰ってきた暁には何気ない芝居話ができたらよいなあと夢見ております!

☆配信は19日(日)23:59:59までです!

スーパー歌舞伎Ⅱって何?

初めて歌舞伎をご覧になる方には、「スーパー歌舞伎Ⅱ」とその前身である「スーパー歌舞伎」とはそもそもなにかということを簡単にお伝えしておきたく思います。

 

スーパー歌舞伎」とは、三代目猿之助(現在の猿翁さんです)が、1986年に創始した新作歌舞伎の上演形式のこと。現代的な照明や音楽を取り入れ、宙乗りや早替わりといった大がかりな仕掛けを盛り込んだ斬新な演劇でありました。

代表的な作品は「ヤマトタケル」「オグリ」「新・三国志」などで、93年には観客動員数100万人を達成するなど一世を風靡し、新たな客層の歌舞伎ファンを獲得しました。

 

そして四代目を襲名されたソルマックでお馴染みの当代の猿之助さんが、その心を継承。2014年に独自のスタイルの「スーパー歌舞伎Ⅱ」をスタートし、大人気漫画を原作として2015年に上演された「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」は幅広い世代に支持され、大いに話題を呼びました。

今回配信の「スーパー歌舞伎Ⅱ 新版オグリ」は新しい脚本・演出で、より現代人の共感しやすい作品として書き換えられたもの。2019年に初演されたばかりです。

 

そういったわけで、「スーパー歌舞伎Ⅱ 新版オグリ」は、百年以上前に作られて何度も何度も繰り返し上演されてお馴染みとなっている古典歌舞伎とは、またポジションの異なる作品です。そのフルバージョンが全くの無料で配信されるというのは本当に画期的なことであります。

フルバージョンで3時間10分、ハイライトバージョンでも1時間44分ありますのでどっぷりと楽しみたいですね!

そもそも小栗判官って何?

オグリ」「新版オグリ」ともに、古来より広く知られてきた小栗判官伝説を描いた梅原猛氏の作品を基としています。

しかしながら、「小栗判官(おぐりはんがん)の物語です」と言われても、現代人にとってはなかなか馴染みの薄い存在かと思います。

そもそも、小栗判官とは何者なのか…ということについてお話したのがこちらの回です!

www.suehiroya-suehiro.com

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芸能の伝承を担ったプロフェッショナル

スーパー歌舞伎Ⅱ新版オグリ」とはかけ離れてしまいますが、この機会にぜひ小栗判官の物語をひとびとに伝えてきたお仕事の一つである「瞽女(ごぜ)」の方々についてもご紹介したく、まとめに加えさせていただきました。

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昔の日本には音楽を専業とする盲人の方々が大勢いらして、素晴らしい音楽や物語を数多く伝承。現代の歌舞伎の舞台で触れられるものの中にも、その要素を残すものがたくさんあります。

障害をもつ方にとって、江戸時代には今と比べて不自由なこと、差別的で悲しいことがきっと山ほどあったはずと思われますが、音楽や鍼灸などのプロフェッショナルとして誇りをもって暮らしを立てていたという側面もあるのだと思います。

多様性が謳われる現代、江戸時代の人々から学ぶところは非常に大きいなあと個人的には感じており、ひとつご紹介したくなった次第です。

 

さて、スーパー歌舞伎Ⅱ 新版オグリは「人生の歓喜」がテーマ。

近頃は不安なニュースばかりですから、底抜けのよろこびを受け取りましょう!!

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