あす18日は歌舞伎界初の試みであるオンライン配信歌舞伎
図夢歌舞伎 忠臣蔵 第四回の上演日です!!
図夢歌舞伎 忠臣蔵では、屈指の名作仮名手本忠臣蔵 全十一段の内容が再構成され、5回に分けて上演されます。
第一回:大序~三段目
第二回:四段目
第三回:五・六段目(11日配信)
第四回:七段目
第五回:九・十一段目
オンライン配信ということで今回初めて歌舞伎をご覧になる方もおいでかもしれませんので、元ネタになるであろう仮名手本忠臣蔵 七段目のあらすじをざっくりとお話してみたいと思います。
何らかのお役に立てればうれしく思います!
そもそも仮名手本忠臣蔵とは
江戸時代の大事件「赤穂浪士の討入」を題材とした演目で、三大狂言のひとつにも数えられる名作中の名作。1748年に人形浄瑠璃として初演され歌舞伎に移されて以来、上演のたびヒットし続けている日本最大級のメガヒットロングラン作品であります!
全部で十一段あり、そのうちの七段目が今回の上演で描かれる場面のようです。
七段目のあらすじ
それでは、あらすじについて本当に簡単にお話していきたいと思います!
主な登場人物と配役
・寺岡平右衛門:幸四郎さん
・遊女おかる:雀右衛門さん
・口上人形:猿弥さん
・大星由良之助:初代白鸚(映像出演)
あらすじ
七段目の舞台はこれまでとはガラリと変わりまして、京都は祇園の一力茶屋。ここでは六段目で売られていった、勘平の女房・おかるが働いています。
主君のため、憎き高師直を討たんと決意していたはずの大星由良之助は、なぜなのかここで浮かれ騒いで遊興三昧の日々を過ごしております。茶屋の女性たちから由良さん、由良さんとちやほやされ、楽しそうなようすです。
酔いつぶれてべろべろになっている由良之助のもとへ寺岡平右衛門なる足軽が「どうにか敵討ちに参加させていただきたい…」と申し出にやってくるのですが、まったく相手にされません。ああ…もう大星どのに敵討ちの意志はないのだろうか…と、平右衛門や由良之助のようすを訪ねてきた塩冶家のさむらいたちはやきもきしています。
一方、六段目に出てきた山賊・斧定九郎の父で塩冶家の家老であった斧九大夫なる人物も、由良之助のようすを見に一力茶屋へ来ています。九大夫は由良之助とともに何気なく酒宴を楽しんでいますが、実はあろうことか既に高師直側に寝返っており、いわばスパイ的活動のためにやってきているのです。
酔いつぶれて一人すやすや眠る由良之助にそのような人物が接近しており、観客がハラハラするところへ、由良之助の息子の力弥がある密書を運んできます。この密書は顔世御前からのもの。敵討ちに関する重要な手紙なのであります。
実は由良之助の遊興三昧はすべてポーズであり、着々と敵討ちの計画を進めていたのでした。さすが由良之助、カッコいいですね。
そうとは知らない由良之助がこっそりと密書を読み始めると、二階から手鏡を使ってこの密書を覗き見ている人物が。遊女になったおかるが、ラブレターかな、いいなと思って覗いていたのです。由良之助はさらに、密書を覗き見ようと九大夫が床下に隠れていることにも気づいてしまいました。大ピンチです。
ひとまず二階のおかるを呼びつけた由良之助は、密書を読んだかどうかを確認のうえ、身請けしてあげようと提案。お金を払いに奥へと入っていきました。
これは自由の身にしてあげると言って、口封じに殺してしまおうという計画なのですが、そうとは知らないおかるは大喜び。家族や勘平さんに手紙を書こうと浮かれているところへ、先ほどの足軽・平右衛門に出会います。実はこの平右衛門はおかるの兄で、売られて以来の再会となりました。
なんだか手紙を覗いたら突然由良之助に身請けされることになった!と喜ぶおかるの話を聞くうちに平右衛門は、なるほどそれは口封じに殺すためだな…!と気が付いてしまいます。
「足軽の身分の俺でも殿の敵討ちに参加できるよう、どうかこの兄に殺されてくれ…」と頼む平右衛門。愛する勘平がすでに切腹して亡くなってしまったことなどを聞かされたおかるは嘆き悲しみ、そういうことだったらもう兄さんに命をあげます…と覚悟を決めるのです。
おかるの命もはやこれまでというその時、由良之助の止める声が!
二人のまっすぐな心を見ていた由良之助は平右衛門に敵討ち参加を許可。さらにおかるに裏切り者の九大夫を殺させ、勘平の代わりに主君への功を立てさせるのでした。
そんな七段目、果たして図夢歌舞伎ではどのように演出されるのでしょうか?
チケットは18日(土)23:00まで購入可能で、7月19日(日)23:00までアーカイブ配信の視聴が可能です。配信が楽しみですね!