歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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図夢歌舞伎 第五回を拝見して…

本日上演された図夢歌舞伎 忠臣蔵 第五回!

全五回の図夢歌舞伎忠臣蔵もいよいよ千穐楽となりました。

図夢歌舞伎とは、リモートでの生配信や事前収録映像を駆使したオンライン上演スタイルの歌舞伎。もちろん歌舞伎の長い歴史で初めての試みであります。

本日の千穐楽には深く感じ入り、拝見できてよかったなあとつくづく思いました…忘れぬうちに感想をメモしておきたいと思います。

詳しくは書かないつもりでおりますがアーカイブ視聴の期間はまだありますので、ネタバレを避けたい方はどうぞこの先をお読みにならないようお気をつけくださいませ。

この先ネタバレにご注意ください

今日の第五回は九段目・十一段目のパートで、上演時間は約1時間。その後に幸四郎さんと戸部さんの30分ほどのアフタートークというボリューム大な生配信でありました!

全五回の図夢歌舞伎、回を追うごとに素晴らしい進化を遂げられていて…最終回にこのような素晴らしい世界を拝見できるとは初回の配信からはとても想像できませんでした。。

観客にとってはあっという間だったこの5週間、作り手の皆様はどれほど苦心されたことでしょうか。毎週毎週驚きの連続で、本当に拝見し続けてよかったと思いました。

 

九段目は戸無瀬・お石・小浪と、女形の役者が揃った重みのある場面ですが、今回の配役に書かれていたのは猿之助さんの戸無瀬だけ。事前収録の映像を使うのかな?と想像しておりましたが、小浪は葵太夫の語りで、お石の役割は幸四郎さんの由良之助のセリフとして見事に置き換えられていて、なるほどー!!!と大興奮いたしました!

図夢歌舞伎の工夫の妙はもちろんのこと、こうしたアレンジを加えても軸は決して崩れない仮名手本忠臣蔵という演目そのものの力にも驚き入った次第です。

 

十一段目では画面を割っての立ち回りが映画を見るような緊迫感で興奮いたしましたし、たくさんの役者さんが活躍なさっていたこともとてもうれしく思いました。

そして幕切れでの由良之助の「必ず明日は日本晴れ」のセリフ、アフタートークでの幸四郎さんの涙が胸に響きました…

 

歌舞伎の舞台で役者の皆さんが活躍するために、衣装、大道具、小道具、床山、劇場機構を担う方々などなど、数えきれないほどの方が力を集結して役者さんを支え、それぞれの生活を営まれているわけで。

様々な制約があるなかで、こうした新たな場を作るということがどれほど重い一歩であったのか、想像しただけで胸がいっぱいになりました。

 

いつの日か必ず満員の歌舞伎座で芝居を見ることができる日がやってくると信じております。それに加えて、様々な事情から劇場にお出かけになれない日本全国の方々が一様に楽しめる図夢歌舞伎がさらに発展し、結果的に歌舞伎の輪がこれまで以上に大きく広がることを願ってやみません。

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