歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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ストリートビューで歌舞伎ゆかりの地に行ってみた 仮名手本忠臣蔵 九段目編

新型コロナの外出自粛期間に始めた「Googleストリートビューで芝居の舞台となった場所とその周辺を訪ねてみる」という遊び。本日もひとつ訪ねてみようと思います。ゆるゆるとした旅ですがみなさまもぜひご一緒にいかがでしょうか。

先日完結した図夢歌舞伎 忠臣蔵にちなみまして、第五回で描かれていた仮名手本忠臣蔵 九段目ゆかりの地をうろうろしてみたいと思います。あえて行き当たりばったりのうえ、事情があり画像そのものを貼ることができず地図埋め込みとなりますが、何卒ご了承くださいませ。

前回:平家女護島 俊寛 編

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仮名手本忠臣蔵 九段目とは

 

仮名手本忠臣蔵」とは言わずと知れた赤穂浪士の討ち入り事件を題材とした演目。

浅野内匠頭=塩冶判官、吉良上野介=高師直、大石内蔵助=大星由良之助というように史実とは役名を変えて幕府からのお咎めを避けつつ、1748年に人形浄瑠璃として上演し大ヒット。まもなく歌舞伎に移されて以来270年以上にわたり人気作であり続けるという、まさに空前絶後のメガヒット作品であります。

九段目は、全十一段にも及ぶ長い物語のラストスパート。敵討ちを計画する大星由良之助が、いわゆる松の廊下で憎き高師直を斬ろうとした塩冶判官をとっさに抱き留めてしまった加古川本蔵なる男から、高師直の屋敷の絵図面を託され、あとはいよいよ後は討ち入るだけという場面であります。

さっそく行ってみましょう

九段目の舞台は、実際の赤穂浪士・大石内蔵助が隠棲していたという京都・山科。

このあたりのようです。

 

まずは、毎年12月14日に行われる「義士祭」で義士行列が目指す場所である「大石神社」へ向かってみます。 

あれっ、気になるところにドラム式洗濯機がありますね。

なんだか道を間違えたようです。

 

おっ、ここですね!見事な桜です!

 

内蔵助と四十七士を顕彰するための神社だそうで、立派な佇まいです。

意外と新しく、建立は昭和10年だそうです。バーチャルお参りをして旅を進めてまいります。

  

続いて、内蔵助が浅野内匠頭の墓を建てたという瑞光院へやってまいりました。 

内蔵助たちはここで、ひっそりと敵討ちの計画を練っていたそうです。

たしかにここなら向かいに山が見えてとても静かそうであります。

 

さて、 最後の目的地へ参りましょう

 

中には入れないようですので、お地蔵さまにお参りいたします。

 

この奥に、内蔵助の隠棲の地とされる「岩屋寺」があるそうです。

つまり、ここがまさしく九段目の舞台ということかと思われます。

内蔵助の住まいの建物そのものは現存していないそうですが、芝居の通りの静謐な気配が感じられる佇まいですね。

残念ながらストリートビューでは非公開ですが、このお寺には浅野内匠頭のお位牌や四十七士の像が祀られ、ゆかりの品が多数公開されているそうです。いつの日かぜひ拝見したいものです。

 

ここであれば、いつか京都の南座へ出かけることができるようになった際に立ち寄ることができそうです。

祇園町の南座は、山科よりは一里半。芝居見物前に歩くのは少し厳しそうですが、力弥の足取りを辿ってみるのもおもしろそうですね!

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