歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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第三部を見てきました!  八月花形歌舞伎 2020年

先日歌舞伎座へ出かけまして、八月花形歌舞伎の第三部・第四部を拝見してまいりました。今回が歌舞伎座開場から2度目の芝居見物だったのですけれども、開演のアナウンスは初日以外にも行われているようで感激した次第です。

備忘録として第三部の感想を少しばかりしたためたいと思います!

地下の木挽町広場で舞台写真を販売しているらしい

第三部の「吉野山」は猿之助さんの佐藤忠信実は源九郎狐、七之助さんの静御前、猿弥さんの逸見藤太という配役で、ああー歌舞伎を見たなあー!!という実感で胸がいっぱいになる素晴らしいひとときでありました。

個人的に近ごろBSドラマ「半沢直樹」に夢中になっておりまして、猿之助さんが毎週毎週半沢を追いつめていた敵・伊佐山役でご出演になっていたことから、脳内で伊佐山の面影がチラついて伊佐山~!と思ってしまうというおもしろさもありました。

これも2020年の夏だからこそ体験できる楽しみのひとつであり、味わい深く思います。

 

また、久方ぶりにこの目で拝見する七之助さん、しかも静御前の美しさたるや、もう尋常ならざるものがあったのですが、自分でも意外なことがありました。

いままでであればオペラグラスを我が目のようにして凝視していたところ、オペラグラスを外して「肉眼で見たい…!!」という思いがむくむくと沸いてきたのであります。オペラグラスを外してみますと、そのまばゆいばかりの美しさを全身で感じることができ、涙が出そうでありました。

とにかく生の舞台の実感が欲しくてたまらないとでも申しましょうか、これも新型コロナの影響でしばらく歌舞伎を味わえなかったことの影響なのかもしれないなと思います。

 

今回は狐忠信の引っ込みの演出が引き抜きで四の切の衣装の狐忠信に変化するという大変華やかなもので驚き入りました!このままビューンと宙乗りしてしまうのではないかと思わされるほどの躍動に、内心でうわぁうわぁー!!と大興奮いたしましたが声を出すわけにもいかず、つい拍手に力がこもりました。

これまで炸裂するような爆発的な拍手を少し苦手としていたのですが、この状況では爆発的拍手をせざるを得ませんね…!

 

また帰りがけに気づいてしまい立ち寄ることができなかったのですが、地下の木挽町広場で今月の舞台写真が販売されているようです!感染対策の観点から筋書の販売自体が行われておらず、いつも中日を過ぎたあたりで販売される舞台写真入りの筋書を購入することはできませんので、本当にうれしいですね!!

チケットをお持ちでなくとも最新の舞台写真から舞台のようすを知ることができるというのは、さながら江戸時代に売られていた浮世絵の役者絵のようです。次回歌舞伎座へ参る際にはこのすえひろも舞台写真をゲットしてきたいと思います。

 

先日、歌舞伎座のチケット購入者に向け、歌舞伎座の感染対策に関するアンケートが送られてきました。現時点でも細やかな対策が練られているのに、さらなるアップデートに取り組まれていることに感激いたしました。

やはり生の歌舞伎には圧倒されますし、このような状況にあって、歌舞伎座の空間そのものが放っている非日常の空気が格別に尊く感じます。

来月以降も一日も多く興行が行われるよう、客席へ立ち入る観客のひとりとして感染対策と体調管理に努め、どんなに見たくとも少しでも体調が悪い日には決して歌舞伎座へは出かけない強い気持ちをさらに鍛えようと決意した次第です!

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