本日、26日は歌舞伎座で上演されていた八月花形歌舞伎の千穐楽でした!
おめでとうございます!!!このすえひろも第四部「与話情浮名横櫛」にまいりましたが、幕が閉まっても鳴りやまぬ拍手と静かなカーテンコールに感無量でありました…
ようやく大好きな歌舞伎の幕が開きはじめ、25日もの日々が過ぎたこと。その間、並々ならぬ覚悟で歌舞伎座に観客を迎え入れてくださったみなさまに対する感謝の思いでいっぱいになりました。
半年ぶりの千穐楽
歌舞伎座の千穐楽は2月ぶり。実に半年ぶりとなります。
2月にしたためた千穐楽の感想を改めて読んでみますと、この時点で既にじわじわとコロナウイルスの嫌な予感が漂っていたことがわかりましたが、まさか8月まで公演がなくなってしまうとは予想だにしませんでした。
この間に行われた図夢歌舞伎をはじめとするさまざまな新しい取り組みや、劇場再開に向けての準備がいかに大変なことであったか想像しますと、こうした状況で歌舞伎を楽しむことができることへの感謝の思いで胸がいっぱいになります。
気が早いですが、来週から始まる九月大歌舞伎も無事に千穐楽まで上演が続きますようにと願っております。
そういえば先日から第四部「与話情浮名横櫛」の感想を書きそびれていたことを思い出しました。
児太郎さんのお富の色っぽさにくぎ付けになり、幸四郎さんの与三郎が座ってお富の話を聞いているときの足先の美しさにくぎ付けになり…と目がいくつあっても足りない一時間でありました。毎週「半沢直樹」で拝見している憎々しい大和田常務もここでは、味わい深い大きな存在感の多左衛門でした。
そして「与話情浮名横櫛」は今回の八月花形歌舞伎で唯一お芝居の演目であります。
セリフのやりとりや役者さん同士の接触というのは一体どうなるのであろうなと思っておりましたが、そういった制限を巧みに笑いに変えていらしてなるほどと思いました。
お富が藤八におしろいを塗るお決まりの場面が藤八のセルフメイク中心に変わっていたり、お富と与三郎がひしと抱き合うであろう幕切れの場面では手ぬぐいの端と端を握り合っていたり…という具合です。
こうしたコメディタッチな味付けが、劇場中にただよう緊張感を和らげてくださるようで、原則無言を推奨されている客席もついついフフフと盛り上がりましたね!
舞台が愉快なのはもちろんのこと、客席のムードのただ中にいることがうれしくてたまりませんでした。
来週からの九月大歌舞伎では、出演者の多い演目「寿曽我対面」が上演されますけれども、こちらはどういった工夫がなされるのか非常に興味深く思います!楽しみです!