いよいよ本日配信された吉右衛門さんの配信公演中村吉右衛門配信特別公演『須磨浦』を拝見いたしましたが、本当に素晴らしい時間でしたので感想をしたためずにはいられません…
まだアーカイブ配信期間ですので詳しくはお話いたしませんが、お悩みの方には本当にぜひにとおすすめしたい公演であります。
熊谷が目の前に
「須磨浦」は「一谷嫩軍記」の物語をもとに吉右衛門さんが松貫四の名で書き下ろされた作品で、内容としては主に「陣門・組討」の場面が描かれているという感触でありました。
ロケーションは観世能楽堂。芝居は拵えのない素顔の吉右衛門さんによって繰り広げられ、舞台の上も、馬までもがシンプルに作られているという非常にストイックな舞台です。この静けさと重さがとにもかくにも美しく、カッコよく、先進的に感じられました。
歌舞伎の舞台と比べ情報量が徹底的に削がれていることで、画面に映っているのは素顔の吉右衛門さんであるのに、目の前にまさしく熊谷次郎直実がいるかのような感覚といえばよいのでしょうか。30分という時間の短さも感じさせないような、言葉にならないほどすさまじく濃密な体験でありました。
チケットは9月1日(火)20時まで購入可能で、9月1日(火)23時までアーカイブ配信が視聴できるそうです!ゆとりがありますのでぜひご検討ください!
このすえひろは耳の中がピタッとするタイプのイヤホンで視聴しておりましたので、須磨浦の世界に没入してしまい魂が震えるような体験でありました…イヤホン視聴がおすすめであります。