新型コロナウイルス感染拡大防止対策として制限されていたイベントや劇場・映画館などの入場人数が、あす19日より100%まで緩和されることになりました。
しかしながら劇場や映画館の対応はそれぞれ異なるようで、宝塚歌劇では舞台近くの席を除き追加販売が行われる一方で、歌舞伎座では当面のあいだ座席使用50%を維持するとの方針がさきほど発表されていました。
観光地としての歌舞伎座を再認識した一カ月半
出演者の方が比較的重症化リスクの低い世代の女性である宝塚歌劇とは異なり、出演者にも観客にも重症化リスクの高い世代の方が多い歌舞伎座では、こうした慎重な選択が取られるのはやむを得ないことかと思います。赤字の興行が続くのは心配ですが、歌舞伎座へ足を運んでいる者としては安心したというのが正直なところです。
現在の歌舞伎座は先月の再開場の盛り上がりが落ち着いたようで、平日の昼などに出かけますと販売されている席にも空席が見られます。舞台の上では素晴らしい芝居が繰り広げられているのに、座席が赤くなっているようすはなんとも切ないものがあります。
そうしたなかで芝居見物をしていて、歌舞伎座というのはシンプルに歌舞伎を見に行くためだけの場所ではなくて、東京の観光地のひとつでもあったのだなと実感するようになりました。
団体旅行や観光バスで歌舞伎座へ訪れたはずの方が皆いなくなってしまったという空白は、個人の口コミや発信活動で地道に歌舞伎ファンを増やしたとしても、とても埋められないものがあるようだと途方に暮れています。
また、国立劇場の小劇場にて文楽公演を拝見してきたのですが、床の近くの席がごっそりと空席になっていました。たしかにものすごい声量で太夫が語るわけですから、どうしても飛沫がかかってしまう高リスクなエリアといえます。
しかしあの席は太夫の語りを間近に聞くことができた迫力満点の場所のはずであり、太夫や三味線のファンにとってはたまらないエリアであったはずです。
この状況にあって拝見できたことをまず喜びつつも、元に戻る日は果たしていつになるのだろうかと、なんとも寂しい思いがいたしました。
つらつらとネガティブなことをしたためてしまいましたが、芝居好きの方々の現状はさまざまであり、歌舞伎座に行きたいけど行かれないもどかしい思いをなさっている方が全国各地に大勢おいでのことと思います。いつの日か感染の心配が晴れた暁には、にぎやかな劇場が戻るはずです。
現状自分にできることは体調を整え、劇場がにぎやかになる日まで公演が持続するよう自分にできる範囲で公演や配信にお金を支払うことしかないなと近ごろ痛感しております。がんばります!
それはそうと、小劇場ロビーに「くろごちゃんファンド」の募金箱が設置されていました!くろごちゃんが千円札の群れの中にじっと鎮座していました。
おそらく来月の歌舞伎公演でも設置されるものと思われますので要チェックです!