歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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九月をふりかえり… 2020年

早いもので九月も今日でおわり…今月は歌舞伎座公演が再開となって二カ月目の公演でしたが、中止や感染の報道もなく無事に月末となりました。

こうしてかつてのように歌舞伎のある日常に戻っていくことが非常にうれしく、環境を整えてくださっている方々への感謝の思いでいっぱいです。来月も歌舞伎座で楽しく芝居見物ができるよう、こちらも立ち入る者として気を引き締めてまいります。

いつの間にナウシカの世界に

今月の芝居を思い出して、最も心に残っているのはやはり第三部の「引窓」でしょうか…。吉右衛門さんと東蔵さんのお元気な姿が拝見できたことが何よりうれしかったです!今まで南与兵衛にばかり注目していましたが、吉右衛門さんの濡髪の存在感によって家族全員の胸の内までがくっきりと見えてきて、これまでに自分が拝見した引窓の中でも最も胸に染み入りました。

 

また歌舞伎オンデマンドの配信で「新作歌舞伎 風の谷のナウシカ」を拝見しました!

新型コロナのことなど思いもよらなかった昨年の12月に劇場で拝見した時、日本中が不安に包まれ出しガラガラになった映画館で3月に拝見したディレイビューイング、そして自宅で拝見した今回の配信と、三回ともまったく異なる味わいで、なんだか回を追うごとに自分自身がどんどんナウシカの世界に入っていっているような感覚に陥りました。

人のひしめくぎゅうぎゅうの劇場で12月にこの新作歌舞伎が公開されたことには不思議なめぐりあわせを感じざるを得ません。あの12月から世界は本当に変わってしまったのですね…今後自分はどう過ごしていけばよいのか、墓の主との問答とナウシカの選択が胸に迫りました。

 

余談ですが先日、ドラマ「半沢直樹」が最終回を迎えましたね!

歌舞伎好きの者としましては、歌舞伎役者の方々がご出演になっていることだけではなくて、どっかんどっかんと繰り広げられる濃厚な演出とぐるぐると巡るような筋立てがまるで歌舞伎のようでたまらなくおもしろく、このすえひろも放送を毎週毎週心待ちにしておりました。

 

今回は前回の放送よりも多くの歌舞伎役者の方々がご活躍されていましたので、これを機に歌舞伎にご興味を持たれた方も多いのではないだろうか…と期待しております。

ちょうど9月28日(月)~10月11日(日)まで歌舞伎オンデマンドで九月大歌舞伎の公演が配信されておりまして、「色彩間苅豆」に伊佐山役でご出演だった猿之助さんがご出演です。

可憐な女性と恐ろしい怨霊という役どころであの憎々しい伊佐山をお勤めになっていた方と同じ方とは思えない作品ですので、もし半沢直樹をきっかけにこちらのブログにたどり着かれた方がいらしたらぜひにとおすすめいたします。

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さて、来月はどんな芝居が待っているのでしょうか。

楽しみに今夜は休みたいと思います。おやすみなさいませ。

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