先日のお話ですが、歌舞伎座へ出かけまして十月大歌舞伎の第三部「梶原平三誉石切」を拝見してまいりました!感動の極みで夢心地になってしまい、ちょっと記憶が飛びぎみなのですが、備忘録として感想を少しばかりしたためておきたいと思います。
16年ぶりの梶原平三誉石切
今月の主な配役
梶原平三景時 仁左衛門さん
青貝師六郎太夫 歌六さん
六郎太夫娘梢 孝太郎さん
大庭三郎景親 彌十郎さん
俣野五郎景久 男女蔵さん
奴菊平 隼人さん
囚人剣菱吞助 松之助さん
「梶原平三誉石切」を仁左衛門さんがお勤めになるのは実に16年ぶりということで、このすえひろにとっては初めてのことでありました。感染対策であるのかそういった型なのか確認しておりませんが、花道からの登場とばかり思っておりましたので、冒頭に幕がバサッと下りて舞台の上にいらしたときには心の準備が全くできておらず、反射的に涙が出てしまいました…。。
仁左衛門さんのお姿を肉眼で拝見したのは2月の千穐楽の菅丞相が最後で、その時にはまさか半年以上拝見できなくなるとは夢にも思わずにおりました。
三月の歌舞伎座や四月の巡業など心待ちにしていた公演が叶わなくなり、次から次へと不安が続く日々、今もその不安は続いていますけれども、何はともあれ再びこの目でお姿を拝見できた喜びでこれまでの残念な気持ちのすべてが吹き飛んで、ほんのひととき全てを忘れて晴れ晴れとした気持ちになることができました。
ほんのひとときといってもこのひとときのために何事も頑張ることができるのですから、冗談抜きに両手を合わせて拝むような思いであります。。
ちょっと正直なところ脳が興奮状態で頭がおかしくなっていて、白光りした梶原のカッコよさだけが残像のように残り芝居の詳細が思い出せないのですが、またの機会にしっかりと噛みしめたいと思います。
余談ですけれども、今年の新春浅草歌舞伎は中止になってしまったそうですね…。新春浅草歌舞伎は、毎年お正月の恒例となっている浅草公会堂での若手の方々の公演です。
ここ数年松也さんが仁左衛門さんから教わるお役に取り組まれていて、細部まで非常に丁寧に映されているなと毎年毎年非常に楽しみにしていたため、仕方がないこととはいえとても残念です。。
このような状況でお若い方の伝承と活躍の機会が減ってしまうのはなんとも切なく心配です。何らかの機会があると良いなと思います。