本日、27日は歌舞伎座で上演されていた十月大歌舞伎の千穐楽でした!
おめでとうございます!!!このすえひろも今日は第三部「梶原平三誉石切」を見届け、今年の春夏、歌舞伎のない数か月のことを思い起こし感無量でありました。
※写真は過去のものです
切り手も切り手 剣も剣
今月の「梶原平三誉石切」は仁左衛門さんが16年ぶりに梶原景時をお勤めになるとあって、これまでそれほど好きな演目でもなかったのですが、今回はいろいろな角度から拝見してみました。
すると梶原の心が動くさまが一瞬一瞬手に取るように伝わり、拝見するたびに新しく気づく部分もあり、あぁこんなにおもしろい演目だったのか…と驚きを禁じ得ませんでした。刀の鑑定の一つ一つの動作、手水鉢の間から梶原景時がスターンと飛び出してくるようすなどが、すべてスローモーションのように目に焼き付いています。
仁左衛門さんのお芝居が気づかせてくださる演目の新発見の楽しさ、拝見すればするほどに歌舞伎そのものがどんどん好きになっていく感覚が懐かしく、半年以上の寂しさがみるみるうちに報われていくようで、たまらなく幸せな一カ月でした。
これで歌舞伎座における歌舞伎興行は、感染を拡大させることなく3カ月間も続いたということになります。これは演劇の世界を活気づける素晴らしい実績なのではないでしょうか。歌舞伎座の中の方々がこの3カ月間どんな思いで迎えてくださっていたのか想像しますと、安心して歌舞伎を見ることができたことへの感謝の思いで胸がいっぱいになります。
娯楽の世界でクラスターが発生してしまうとメディアで大きなニュースになりますが、こうしたおめでたくてうれしいニュースはなかなか聞こえてきませんから、自分の周りの人にどんどん伝えたくなってしまいます。こうした具体的実績が人々の間で波のように伝わり、そよそよと劇場に人が集まり、賑わいが戻っていくことを夢見ています。
これから先は気温も下がり空気も乾燥しますから、私たち観客の方でも体調管理がいっそう重要になってきますね。このまま状況が悪化することなく、年内の興行が無事に執り行われるよう願うばかりです。