今日はちょうど芝居見物に出かけていたのですが、さきほどニュースで坂田藤十郎さんの訃報を知り、寂しさで胸がいっぱいになっております。。
私が最後に拝見したのは2019年の京都顔見世での金閣寺でした。こちらが最後の舞台であったそうで、最晩年まで現役を貫かれていました。
今年に入ってからはどのようなお加減であったのか全くわかりませんけれども、新型コロナがなければ今年も何かご出演の予定があったのでしょうか。なんともやるせない思いです。
88歳というご年齢で老衰で亡くなられたとのことで、これはもう本当に仕方がないこととはいえ、そのご年齢としての一般的な感覚ではとても考えられないほどご活躍でしたので、なんだか本当に信じられません。。
曽根崎心中、封印切、帯屋などなど、これまで拝見できた上方の演目の数々。舞台の上に置かれたやわらかな身体のラインから、役柄の人生そのものが醸し出されているようなようすが今も鮮明に思い出されます。
生まれた世代的に全盛期には間に合わなかったことが残念でなりませんが、上方の歌舞伎に興味を持つ者としてご健在のうちに舞台の上のお姿をこの目で拝見できたこと、私にとって生涯のたからものです。謹んでお悔みを申し上げます。