ただいま歌舞伎座では壽 初春大歌舞伎が上演中です。
緊急事態宣言はあさって8日からとの発表がありましたが、現時点で歌舞伎座の上演体制に関しての発表はないようです。今後の行方は全く読めませんが、日本全国の劇場で一日も長く公演が続くよう願っています。
今月の第三部「菅原伝授手習鑑 車引」は、白鸚さん、幸四郎さん、染五郎さんの高麗屋三代がご共演とあって話題を呼んでいますね!今朝の日本テレビ「スッキリ!」に染五郎さんがご出演でしたので、ご興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
車引は上演頻度の高い歌舞伎屈指の名場面。こちらのブログで過去にお話した回がたくさんございますので、いくつかピックアップしてみました。
芝居見物のお役に立てればうれしく思います。
そもそも菅原伝授手習鑑とは
菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)とは、三大狂言の一つに数えられる名作中の名作です。「菅原道真の大宰府左遷」に三つ子ちゃん誕生の伝説を織りまぜて作られた物語で、さまざまなケースにおける「親子の別れ」を描き出しています。
とはいっても、今回上演されている車引の場面にはそのような要素はありません。物語の内容ではなく、舞台の上の様式的な美しさと、登場人物のインパクトを楽しむような場面です。
ざっくりとしたあらすじについてはこちらの回でお話しております。
隈取に違いがあります
「歌舞伎といえば隈取」というイメージが根強いかと思うのですが、歌舞伎にもいろいろなジャンルがあり、それほど頻繁に隈取の人物が登場するわけでもありません。
しかしこの車引の場面では、短時間でさまざまな種類の隈取を見ることができます!
歌舞伎を見たという満足感を得られるので、初めての方にも大変おすすめの演目です。
隈取はその種類によって、どんなキャラクターなのかわかるようになっている優れものなので、一度覚えておけば次回の芝居見物の際にも役に立ちます。そんな隈取の違いについてお話したのがこちらの回です。
物語の結末
菅原伝授手習鑑は全五段にわたる長い物語で、あまり上演されることのない恐ろしい結末が待っています。どのような結末を迎えるのか?ということについてお話したのがこちらの回です。車引の場面には直接関係ない内容ですが、機会があれば他の場面もぜひご覧になってみてくださいませ。