ただいま歌舞伎座で上演中の三月大歌舞伎!
第二部で上演される「熊谷陣屋」は数ある歌舞伎の演目の中でも名作として知られるもので、以前にもこちらのブログでお話したものがございます。こちらに一つまとめてみますので、何らかのお役に立つことができれば幸いです。
今回の上演は昨年末の京都の南座で上演された顔見世興行と同様、仁左衛門さんが主役の熊谷次郎直実をお勤めになります。顔見世興行は会期も短く、チケットが早々に売り切れてしまった希少な公演でありました。そんな上演をいち早く東京でも拝見できるという貴重な機会であります。
熊谷陣屋とは
熊谷陣屋(くまがいじんや)は、源平合戦の世を舞台にした物語。 一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)という長い物語のうちの名場面です。
「一枝を伐らば一指を切るべし」というメッセージを主君・義経から託された熊谷次郎直実というさむらいが、このメッセージを「後白河法皇の子である敦盛を守るために一子を斬るべし」と解釈。忠義のため大切な我が子を失い、仏の道を選ぶという戦の世の悲劇であります。
ざっくりとしたあらすじ
お話のルーツ「敦盛最期」
演目の元ネタとしている平家物語の「敦盛最期」の内容をお話したのがこちらの回です。古典の授業で習ったような習っていないようなお話ですが、大人になってから噛みしめてみますと悲しみがより深く染み入るように思われます。
相模と藤の方
「熊谷陣屋」における女形の重要な役どころ2つについてのお話、今月は相模を孝太郎さんが藤の方を門之助さんがお勤めです。熊谷陣屋において悲しんでいるのは直実だけではありませんで、恋をして長年連れ添い我が子を育てた夫婦の物語でもあります。
弥平兵衛宗清、待て
いきなり出現するおじいさんの秘密についてお話した回です。初見の際、割とナゾな存在ではないでしょうか。
一枝を伐らば一指を切るべし
物語の重要アイテムである「一枝を伐らば一指を切るべし」の制札は神戸に実在していまして、それについてお話したのがこちらの回です。
ゆかりの地は埼玉にも
熊谷次郎直実ゆかりの地は埼玉にもあります。お近くの方はいかがでしょうか。