今日は東京で早くも桜が開花したそうですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
このすえひろはといえば、昨晩遅くまでNHKBSの「お水取り生中継」を拝見しておりましてすっかり寝不足であります。1270年途絶えることなく続く秘儀の史上初の生中継だったそうです。
お経の現代語訳が同時に表示されていたため、自分の知らないところでお坊さんたちがあんなにも具体的に日々の安寧や疫病退散を祈ってくださっていたのだと初めて知り、大変ありがたい気持ちになりました。
中でも独特な動きの神さまたちの出現のあとで東大寺の二月堂の中を大きな松明がぐるぐると巡る謎の行法「達陀」の迫力たるや、眠気も吹き飛び画面に引き付けられるようでした。今後歌舞伎舞踊の「達陀」の感じ方がより豊かになりそうです。
さて、先日のお話ですが、歌舞伎座へ出かけまして第三部を拝見してまいりました!
備忘録として少しばかり感想をしたためたいと思います。
「絶景かな絶景かな」
第三部は、吉右衛門さんの「楼門五三桐」と玉三郎さんの舞踊という狂言立て。このすえひろは鴈治郎さんとの「隅田川」が上演されるAプロの日に拝見いたしました。
「楼門五三桐」は上演時間たった15分の短い演目ですので部全体の上演時間もかなりコンパクトですが、やはり吉右衛門さんと玉三郎さんがご出演ということもあり短さを感じさせない重厚さでした…!
特に楼門五三桐には興奮いたしました…どうしてこの15分でこれほど心躍るのかといつも思います。。真柴久吉をお勤めになった幸四郎さんの出演時間もまた本当にごくわずかなのに、ひしゃくでスパッと小柄を受け止める瞬間\うひゃー!/と思います。
迫力ある大道具のしかけのために三階で拝見すると途中から五右衛門の首から下しか見えなくなってしまうというのは、楼門五三桐あるあるかと思いますが、その条件さえも想像を掻き立て心躍らせる要素になっているのではないかと思うくらいです。
理屈を超えたおもしろさのある演目を拝見すると、歌舞伎を見たなあという幸せな気持ちが湧いてきて元気がでます。吉右衛門さんも一月の忠臣蔵七段目のころよりもお声に張りがあり、ずっとお元気そうに見受けられ、安心した次第です。どうかご無理のないようにと願うばかりです。
玉三郎さんと鴈治郎さんの「隅田川」は静かな静かなひとときで、激しい感情表現はないのにどうしようもない絶望感がじんわりと胸の中に迫ってくるようでした…
玉三郎さんの芸の素晴らしさはもちろんのこと、鴈治郎さんの柔らかなシルエットがそこにあるだけでなんだかもうたまらない悲しみを感じました。言葉で表現できないのですが、なんともいえず素晴らしい時間でした。。
それはそうと今日3月14日ホワイトデーは、仁左衛門さんの77歳のお誕生日ですね…!!!おめでとうございます!!!自分の誕生日よりもずっとうれしいです。