東京では久々の晴天でしたがみなさまいかがお過ごしでしょうか。
このすえひろはといえば、風邪も引かず元気に過ごしております。先日のどの痛みがあり焦りましたが、硬いあたりめを食べてのどの奥に口内炎を作ってしまっていたことがわかりました。みなさまもあたりめにはお気をつけください。
先日のお話ですが、歌舞伎座へ出かけまして五月大歌舞伎の第三部を拝見してまいりました。備忘録として少しばかり感想をしたためておきたいと思います。
菊之助さんの鏡獅子に大感動
五月大歌舞伎第三部は「八陣守護城」「春興鏡獅子」の二本立てです。
「八陣守護城」は吉右衛門さん代役として歌六さんの佐藤正清、雀右衛門さんの雛衣、種之助さんの轟軍次、吉之丞さんの鞠川玄蕃という配役です。吉右衛門さんが松貫四として補綴なさった舞台で、通常と幕開きの演出などに少し違いがあったように思いますが、自分の注意不足と記憶力不足でよくわかっていません…すみません。詳しい情報を探りつつ、吉右衛門さんによる再演を待ち望んでおります。
そして続く「春興鏡獅子」は、菊之助さんの小姓弥生/獅子の精、丑之助さん亀三郎さんの胡蝶の精という配役でした。これがとにもかくにも完璧で、夢に見るお手本のような素晴らしい一幕でありました…感動しきりでした。
小姓弥生は振りの一つ一つが描き出すものがよく見えてくるのに、わざとらしさや嫌味が一切なく、全てにおいて小姓らしく可憐で上品でした。そして獅子の精は、勇猛な動物というよりは優雅なる文殊菩薩の霊獣というイメージで、毛振りの弧の先端に至るまですべてが美しかったです…。丑之助さん亀三郎さんの胡蝶の精も、ご年齢からは想像できないほど見事でした。
今回の鏡獅子で菊之助さんが芸の蓄積と肉体のバランスが最高潮となる時代に突入していくことがありありとわかり、今後の10年、20年への期待と興奮で胸がいっぱいになりました。素晴らしい役者さんと同じ時代を生きていることのよろこび…芝居見物はやめられないなとつくづく思います。
余談ですが、歌舞伎座ロビーで六月大歌舞伎「桜姫東文章」「日蓮」のポスターの掲示が始まっていました!桜姫東文章ポスターの美しさは言わずもがな、日蓮のポスターはなんだか後光が差すような不思議な写真で衝撃でした。一体どのような舞台になるのでしょうか、ワクワクしますね。無事に全日程が上演されますように…。