早いもので今月も今日でおわり…緊急事態宣言で歌舞伎公演がどうなるかわからず心配の絶えないひと月でした。
私は今月、残念ながら一部のチケットが払い戻しになってしまいましたが、歌舞伎座の二部・三部とコクーン歌舞伎「夏祭浪花鑑」を拝見することができました。再び歌舞伎公演が長期にわたりストップしてしまうのかなと覚悟しておりましたので、再開後は無事に公演が行われてなによりでした。
菊五郎さんの勘平、菊之助さんの弥生・獅子の精、勘九郎さんの団七、どれも素晴らしい時間でした。この舞台が日の目を見ぬまま千穐楽の日を迎えてしまうことがなくて、本当に良かったとつくづく思いました。役者さんがそれぞれに積み重ねてこられた過去の蓄積によりきらきらと輝く今現在の瞬間を、この目で拝見できたことがこの上ない幸せです。
同じ時代を生きて、同じタイミングでその場にいなければ味わえないものなのですから、本当に奇跡だと思います。このようなご時世ですからこれまで以上に実感を持ってそんなことを考え、静まる客席でじーんと感極まっています。
しかしここ数日は、秀太郎さんの訃報をいまだ受け止めきれずにもがいています。
このようなときどのように乗り越えていけばいいのか、都度見失ってしまいますね。やはり時が経つのを待つしかないのでしょうか。毎月毎月次々に上演され常に未来を楽しみにしていられる現在の歌舞伎の公演形態をありがたく思います。
さて、来月はどんな芝居が待っているのでしょうか。
楽しみに今日は休みたいと思います。おやすみなさいませ。