ただいま歌舞伎座で上演中の六月大歌舞伎!
第一部で上演されている「御摂勧進帳」は、弁慶の飛び六方でお馴染みの「勧進帳」と同じく題材の、より古い作品です。理屈抜きで楽しめる演目ですが「勧進帳」の内容をおさらいしておくとより楽しめるかもしれません。
「勧進帳」については過去にお話したものがいくつもありますので、お役に立ちそうなものを一つまとめたいと思います。何らかのお役に立てれば幸いです。
基本情報
御摂勧進帳、勧進帳ともに能の「安宅」が題材です。
基本的な事項を本当にざっくりとお話しますと、
状況:都を追われた源義経が家来の武蔵坊弁慶たちとともに山伏一行に変装して逃げている。
出来事:関守の富樫左衛門が守る安宅の関に差し掛かるが、正体を見破られる。
結末:弁慶は持っていた巻物を「勧進帳」として読み上げるなどして義経を守り抜き、一行は無事に関を越える
というものであります。
題材は同じですが、「勧進帳」が緊張感に溢れているのとは全く異なり、「御摂勧進帳」はおおらかで喜劇味のある演目です。
ざっくりとしたあらすじ
「勧進帳」のざっくりとしたあらすじをご紹介いたします。ムードが全く異なりますが、比べるのも楽しいかと思います。
富樫左衛門のモデル
どちらの演目においても重要人物である関守・富樫左衛門の、モデル説についてごく簡単にお話したのがこちらの回です。