東京もそろそろ梅雨入りかという状況ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
このすえひろはといえば、鬼滅の刃劇場版のブルーレイの到着を待ちわびながら、元気に過ごしております。欲望に抗えず光る煉獄さん付きのセットを予約してしまいました。一体どこに置けば良いのでしょうか。
さて先日のお話ですが、歌舞伎座へ出かけまして六月大歌舞伎の第三部を拝見してまいりました!備忘録として少しばかり感想をしたためておきたいと思います。
また第三部「日蓮」は新作歌舞伎ゆえ楽しみになさっている方が大勢おいでのことと思います。内容について詳しくは記しませんが、ネタバレや先入観を抱くことを避けたい方は何卒この先をお読みにならないようご注意くださいませ。
この先ネタバレご注意ください
第三部は「京人形」「日蓮」という狂言立てでした。
まず「京人形」は、白鸚さんの左甚五郎に染五郎さんの京人形の精という配役です。ついこの前まで美少年であった染五郎さんが、いつの間に美青年に変貌されていて驚きいりました。10代の男性の成長速度は著しいですね。キレキレでした。
白鸚さんもはつらつとされていてうれしかったです。近ごろ、不安なのか大幹部の方がお元気なご様子だと心の底からうれしくなってしまいます。とにかく皆様がお元気でいらしてほしいと日々切に願っています。
続く「日蓮」は、日蓮聖人降誕八百年を記念し、横内謙介氏と猿之助さんがタッグを組んで作られた新作歌舞伎です。
とにかく猿之助さんのカリスマ性が見事に発揮されていた一幕であったなと思います。猿之助さんであるからこそ説得力を持つ作品と言えるかもしれません。また、隼人さんの存在感とセリフにぐっと重みが生まれていて、今後の古典での活躍が楽しみになりました。
とはいえ、無知ゆえか最初で作品への入り込みが遅れてしまったのも事実です。もう少し事前情報を頭に入れるべきだったかもしれません。
自分自身、信仰心ありきの排他性を感知してしまいやすく、これが宗教を題材とする作品に入り込めるか否かを左右してしまうのかなと感じています。舞台上と自分自身の心の温度差は否めなかったものの、笑三郎さんの慟哭には大変胸打たれました。
余談ですが、この週末に北斎の長い生涯を描いた映画「HOKUSAI」を拝見してまいりました!
幕府からの弾圧を受けながらも火を絶やすことなくしぶとく繁栄してきた江戸時代の出版及び娯楽の世界を垣間見るのに良い映画かと思います。自由になったとはいえ、現代においても政治と文化の関係性の本質はさほど変わってはいないのではないかと考えさせられました。
また、役者絵に新風を巻き起こした東洲斎写楽の人物像も新鮮です。江戸好きの方にはぜひにとおすすめいたします。