早いもので今月も今日でおわり…今月はとにかく歌舞伎座二部「桜姫東文章 下の巻」に全力投球したひと月でありました。
四月の上の巻の時点ではまだ下の巻があるという気持ちのゆとりがあったのですが、いざ六月になってみますと千穐楽までの一分一秒が名残り惜しく、なんだかもうたまりませんでした…。変な言い方ですが高揚と寂しさで生きた心地がしないと申しますか。東銀座に無意味に早く到着してしまったりして、随分取り乱したひと月でした。
桜姫東文章のビデオをきっかけとして仁左衛門さんを好きになり、そのまま魅力に取りつかれて歌舞伎に夢中になった自分が、お二人の桜姫東文章が36年ぶりに上演されるタイミングに歌舞伎への熱量100%の状態のままで遭遇できたというのは、人の命も心も移ろう世の中においては奇跡のように思えます。
ビデオを見てからの日々には、心が折れそうな悲しいこと苦しいことつらいこともたくさんありましたが、本当に生きていてよかったです。この先の人生もつらいことが山ほど起こるだろうと思いますが、生きてさえいればこんなことも起こりうるんだと思い、乗り越えていけそうです。そういった意味でやはりエンターテインメントは人の命を救い、人生を肯定する力をもっているのではないでしょうか。偉大です。
余談ですが、このブログが今月で8周年を迎えました!
お読みいただいている皆様に、この場を借りて心より御礼申し上げます。ありがとうございます。
続けることしか取り柄のない私ですので今後も日々コツコツをお話を続けてまいります。歌舞伎をお好きな方やお好きになりかけている方の、何らかのお役に立つことができればと思います。
日々精進してまいりますので何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、来月はどんな芝居が待っているのでしょうか。
楽しみに今日は休みたいと思います。おやすみなさいませ。