歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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【2021年7月歌舞伎座で上演中!】やさしい御存 鈴ヶ森 まとめ

ただいま歌舞伎座で上演中の七月大歌舞伎

第二部で上演されている「御存 鈴ヶ森」 は、吉右衛門さん代役としてご出演の錦之助さんの幡随院長兵衛と、菊之助さんの白井権八という配役で上演されています!このすえひろはまだ拝見しておりませんが、麗しいお二人なのでさぞや美しい舞台なのだろうなあと思われます…!とても楽しみです。

御存 鈴ヶ森」はおなじみの名作として知られ、比較的上演頻度も高い演目です。過去にお話したものがありますので、ひとつまとめてみたいと思います。何らかのお役に立てればうれしく思います。

そもそも御存 鈴ヶ森とは

御存 鈴ヶ森(ごぞんじすずがもり)は、たった一幕、大きな物語的展開は特にないにもかかわらず、200年近く愛され続けているという歌舞伎らしい不思議な魅力にあふれた演目です。

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国立国会図書館デジタルコレクション 豊国「東海道五十三次の内 川崎駅 白井権八」

1803年8月に江戸の中村座で上演された「幡随長兵衛精進俎板」のうちの一幕が、四世鶴屋南北による1823年3月江戸市村座「浮世柄比翼稲妻」のなかで補綴され、脚本と演出がまとまり、一幕が独立して何度も何度も上演されるようになりました。

本当にざっくりとした内容をご紹介したのがこちらの回です。

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白井権八と幡随院長兵衛

御存 鈴ヶ森」は白井権八と幡随院長兵衛という2人の登場人物が出会うというシンプルな内容ですが、この二人は当時有名だった殺人犯と侠客の親分であり、江戸の人々にとっては大変お馴染みの存在であったようで、浮世絵の題材としても数多く描かれています。そんな二人を人気スターが演じるとあって、興奮もひとしおだったのではないでしょうか。

白井権八と幡随院長兵衛について簡単にご紹介したのがこちらの回です。

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「鈴ヶ森」=鈴ヶ森刑場

タイトルになっている「鈴ヶ森」とは、現在の品川区大森海岸駅あたりにかつて存在していた有名な刑場「鈴ヶ森刑場」のことであります。

江戸時代の人々は実在の犯罪者の強烈なドラマをお芝居にしたりしてエンタメ化していたらしく、鈴ヶ森の刑場で処刑された人々のなかには歌舞伎でお馴染みの名前が数多くあります。その一部をご紹介したのがこちらの回です。

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権八を襲撃する「雲助」とは

白塗りの美少年 権八を、暗がりにたむろしている「雲助」たちが襲うものの、かえってこてんぱんにやられてしまう…という愉快なスプラッター演出が前半のみどころです。

この「雲助」とはどんな存在であったのかをご紹介したのがこちらの回です。江戸時代の人々が抱いていた「雲助」のイメージをつかみますと、ロケーションのもの寂しさや権八のカッコよさも際立ち、よりおもしろいのではないかなあと思います!

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公演の詳細

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