歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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歌舞伎座 七月大歌舞伎 第三部 雷神不動北山櫻を見てきました!2021年7月

東京では新規感染者数が1300人を突破してしまいましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。来週から先、一体どうなってしまうのか恐ろしく思います。このおかしな状況が少しでも良い方に向かうように願っています。

このすえひろはといえば、近ごろなかなか寝付かれずに困っています。寝る直前まで筋トレをしたりスマホを見ているせいだというのはわかっているのですが、問題がわかったからといってすんなりとやめられるのなら苦労しないものです。

先日は万策尽きて、米軍直伝の睡眠法というものをやってみたところようやく眠ることができました。みなさまもお困りの際にはお試しください。

さて、先日のお話ですが、歌舞伎座へ出かけまして七月大歌舞伎の第三部を拝見してまいりました!備忘録として、少しばかり感想をしたためておきたいと思います。

 

第三部は海老蔵さんが二年ぶりに歌舞伎座の舞台に立たれた「雷神不動北山櫻」。「毛抜」「鳴神」「不動」と歌舞伎十八番が盛りだくさんの豪華な演目です。

裃姿での解説から幕切の不動明王の空中浮遊まで、海老蔵さんが5役早替わりでほぼ出ずっぱりというでド派手な舞台です。早替わりの早いこと早いこと、どうだ変わったぞ!というのではなく何気なくスッとお出ましになるので、早替わりに本気で驚いてしまった箇所がいくつかあり新鮮でした。

今年のお正月の演舞場を拝見できなかったので本当に久しぶりにお姿を拝見し、その圧倒されるような存在感を感じられたこと、うれしそうな客席のムードの中にいられたことが幸せでした。いろいろありますが古典演目でのご活躍に関してはやはり今後もぜひ拝見していきたいものです。

 

 

「毛抜」「鳴神」「不動」とあって、どれも興奮しましたが、私としては「鳴神」が一番興奮いたしました。鳴神上人の怒りが爆発、毬栗のかつらに隈取のド派手な海老蔵さんが登場し、グワーッと胸が熱くなるような感覚。そこに理屈などなく、ただただ心が湧き上がるようなあの喜びは、歌舞伎ならではのものなのだろうなあとつくづく思いました。特に舞台の真ん中で所化に囲まれながら鳴神上人の姿が変わったのがおもしろかったです。あのようなスタイルは見た記憶がないのですが。期待感で胸がいっぱいになりました。

そして児太郎さんの雲の絶間姫も印象深かったです。とても堂々とされていて、色っぽいというよりはもっとストレートにセクシーなイメージを抱きました。鳴神上人に胸元に手を差し入れられ、袖をゆっくりとひらっとさせるところなどたまらなかったですね。チャーミングさもある素敵な女性で鳴神上人が翻弄されるのも納得です。

 

それはそうと「不動」の空中浮遊の仕掛けはどうなっているのでしょうね。不勉強で存じ上げません。宙乗りのように上から釣っていると思っていたのですが、目をこらしてもそのようには見えませんでした。スモークがもくもくになっているうちにいろいろと隠されているのでしょうか…ぜひとも知りたいところであります。

 

第三部は他の部に先駆けてあす16日(金)で千穐楽を迎えますね!一足早いですがおめでとうございます!少ない日程で客席もにぎわっていましたので、無事に上演が続いて何よりでした。他の部も無事に千穐楽を迎えられることを願っています。

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