台風9号が近づいているようですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。上陸が予想されている地域の方は何卒お気をつけくださいませ。充分警戒してまいりましょう。
明日でオリンピックが終わりますね。このすえひろは恥ずかしながらここ一週間くらいで生まれて初めて野球のルールを理解しまして、奥深いものなのだなあと感じました。今後プロ野球やメジャーリーグもぜひ拝見してみたいと思います。
さて、先日のお話ですが、歌舞伎座へ出かけまして八月花形歌舞伎の第三部を拝見してまいりました!備忘録として、少しばかり感想をしたためておきたいと思います。
梅枝さんの小万のカッコよさ
第三部は「義賢最期」「伊達競曲輪鞘當」「三社祭」という狂言立てです。
「義賢最期」は幸四郎さんの義賢に高麗蔵さんの葵御前、梅枝さんの小万、隼人さんの折平に米吉さんの待宵姫という配役。拝見したのは歌昇さんご長男の小川綜真さんが太郎吉の日でした。立派にお勤めになり、かわいらしかったです。
集中して物語の世界に没入してしまうような一幕でした。幸四郎さんの義賢が素晴らしく、ところどころ仁左衛門さんの声に聞こえる箇所がありドキッとしました。特に髑髏のくだりが胸に迫り、そこから立ち回りに至るまでの感情の流れがありありと伝わってきました。立ち回りは言わずもがなの素晴らしさでした。
そして印象深かったのは梅枝さんの小万のカッコよさです…!刀を手に、敵に向かってセリフを朗々と述べて決まったところなど漫画の集中線が見えるかのようで、高揚感でいっぱいになりました。頼もしさと色っぽさを兼ね備え、葵御前目線をVRで体感したくなるような小万でした。
「伊達競曲輪鞘當」は歌昇さんの不破伴左衛門に隼人さんの名古屋山三、茶屋女房お新に新悟さんという配役でした。花形歌舞伎らしい、フレッシュな舞台でしたね。不破伴T左衛門と名古屋山三、好対照のおもしろさを堪能することができました。
コロナ禍で新春浅草歌舞伎がなくなってしまい寂しく思っておりましたし、古典演目の伝承機会が減ってしまうことを心配しておりましたので、平成生まれの方々が歌舞伎座で堂々と大役をお勤めになるところを拝見して胸が熱くなりました。
「三社祭」は染五郎さんの悪玉に團子さんの善玉という配役です。お二人とも急激に青年になられていて驚きました!とても楽しそうに弾むように踊っていらして、拝見していて爽やかな気持ちになりました。
三社祭の衣裳は舞踊演目の中でも特に足さばきがよく見えるものなので、團子さんの筋肉のしなやかさに改めて驚かされました。今はスレンダーですが今後良い筋肉が乗って舞踊の名手となられるのではないかなと楽しみにしています。
また美少年で評判の染五郎さんのチョビヒゲ姿を拝見できたのも貴重でしたね。舞台写真が売れるのではないでしょうか。私もちょっと欲しいです。染五郎さんはこんなにコミカルでおかしみのある魅力的な動きをなさる方なのだなあと驚きました。今後さまざまな役をお勤めになるところを拝見できるはずですので、笑いの才が発揮されるのではと楽しみです。