ただいま歌舞伎座で上演中の十月大歌舞伎!
第三部で上演されている「松竹梅湯島掛額」は、大変愉快な演目です。小姓の吉三郎への叶わぬ恋心を募らせる八百屋の娘のお七を、紅屋長兵衛という男が助けようとするのだが…という内容です。お土砂というコミカルな場面からシリアスな火の見櫓の場面へと展開していきます。
このお七という八百屋の娘は浄瑠璃や歌舞伎などいろいろな演目に登場するお馴染みの存在で、八百屋お七や櫓のお七などと通称されています。「八百屋お七」および「櫓のお七」については過去にお話したものが少しばかりございますので、ここにひとつまとめてみます。まだまだ話足りませんが芝居見物や配信・放送の際のお役に立てればうれしく思います!
八百屋お七とは何者か
八百屋お七とは、実在した女性放火犯です。恋心ゆえに少女が大罪を犯すというセンセーショナルさからか江戸の人々の話題を呼び、様々な物語に登場するようになりました。歌舞伎の「三人吉三」という演目が特に有名ですので、機会があればぜひご覧ください。
火の見櫓とは
八百屋お七が犯した罪をドラマチックに表現するのが火の見櫓というアイテムです。
江戸時代の人々にはお馴染みのものですが現代人の日常生活には関わりのないものですのでお話したのがこちらの回です。
人形振り
八百屋お七の特徴的な演出が「人形振り」です。役者さんが文楽の人形のように動いて、激しい感情を表現します。今月は右近さんがお勤めになりますのでこちらも要チェックです!