本日27日は歌舞伎座で上演されていた十月大歌舞伎の千穐楽でしたね!おめでとうございます!
※写真は過去のものです
「太刀盗人」の鮮烈さ
今月も無事に千穐楽まで上演が続いたこと、非常に喜ばしく思います!
過去の上演中止の例などから学び、なるたけ早めに芝居の予定を詰めてしまうようになったので、今月の芝居の思い出がやや遠くなっていますが、そのなかでも特に印象深いのは二部の「太刀盗人」でしょうか…。
鷹之資さんが登場してからいくつかの動きだけでその場の情景がありありと浮かぶようで、素晴らしい表現力に圧倒されました。舞踊の名手である松緑さんとの連れ舞いも、目が離せないおもしろさで、幕見席があれば確実に何度も拝見したなと思います。おもしろい演目ではありますが、正直なところ「太刀盗人」であんなに興奮すると思っていませんでした。
鷹之資さんは舞台の上での存在感といい身体バランスといい、たまらないものがあります。まだまだお若いので今後素晴らしい役者さんに成長されるお姿を拝見できるのだろうと思うと、期待感でいっぱいです。ぜひまた松緑さんとの太刀盗人も拝見したいですし、今後さまざまな役どころでのご活躍が本当に楽しみです。
そして「松竹梅湯島掛額」もおもしろかったです。菊五郎さんの紅長さんの楽しさとおちゃめなカッコよさ、右近さんの八百屋お七の切なさに心奪われました。
今日は菊五郎さんが文化勲章を受章されたという素晴らしいニュースもありましたね。そんな最高峰の役者さんが、今月も来月も連続して舞台に出演されていて、生の芝居に触れる機会が一般に開かれているというのは改めてすごいことだと思います。現在我々が目にできるすべての芝居が長年の鍛錬によって培われた珠玉の名舞台であること、本当に幸せでありがたく思います。今後もひとつひとつの芝居を大切に拝見したいです。
近ごろは新規感染者数がめっきりと減り、時短要請も解除されるなど、良い状況が続いています。まだ油断はできない状況と思いますが、今後劇場の興行にも変化があるかもしれませんね。
みっちりと満席の歌舞伎座で芝居見物ができる日がすぐそこまで近づいてきているのかなとワクワクしています。幕間にお弁当を広げながら談笑したり、用事の帰りに幕見席に寄り道してみたりといった以前の楽しみが一日も早く戻りますように。
とはいえまずは、来月の初日の幕が無事に開きますようにと祈っています。楽しみです。