歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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【来たる14日】歌舞伎座・三月大歌舞伎 チケット一般発売!

あさって14日(月)は3月の歌舞伎座公演

三月大歌舞伎のチケット一般発売日です!

節分も過ぎていよいよ春ですね。春と言っても疫病の流行はいまだ先の見えない状況、国際情勢的にも緊張の高まる状況ですが、歌舞伎座では変わらず歌舞伎が上演されています。2年前の春を思うと、毎月欠かさず歌舞伎が上演されていることの喜びをひしひしと感じます。

再び公演が中止となることのないよう、我々の側でも充分に気を付けてまいりましょう。このすえひろも体調管理を徹底していきたいと思います。

公演の詳細

www.kabuki-bito.jp

一般発売日

2月14日(月)10:00~

【チケットWeb松竹】

会期・上演時間

2022年3月3日(木)~28日(月)

第一部 11:00~
第二部 14:40~
第三部 18:30~

休演日:10日(木)、22日(火)

チケット料金

一等席        16,000円
二等席   12,000円
3階A席      5,500円
3階B席      3,500円
1階桟敷席  17,000円

歌舞伎座では一月から販売座席数が少し増え、原則2列並びとなりました。舞台の見え方も以前の劇場に近づきました。2列並びとはいえ会話は控えることが呼びかけられています。お友達とお出かけになる方が増えるかと思いますが、どうぞご注意くださいませ。

歌舞伎座の感染対策

歌舞伎座の感染対策についてご心配なさっている方もおいでかと思いますので、昨年8月の再開時に実際に出かけてきた際の記事をご紹介しておきます。このあと上演形態は変わりましたが、玄関での入場時の作法は変わりません。記事公開後の大きな変更は、①筋書の販売再開、②2席並び販売、③めでたい焼き予約販売(持ち帰りのみ)です。

www.suehiroya-suehiro.com

 

現在感染状況は落ち着いていますが、状況が悪化した場合も歌舞伎公演が続くために重要と思われるポイントがあります。今一度我々観客の方でも徹底してまいりましょう。

①ロビーや客席では会話を控えることが推奨されています。

②整理退場への協力が求められています。終演後も係の方からの案内があるまで座席で待ちましょう。

会話を控えるのはもちろん、整理退場も出入口での密集を避けるための大切な施策ですので、ご自身の身を守るためにもぜひご注意ください。

歌舞伎座の感染対策はこれまで非常に厳格に守られ、我々観客の健康をしっかりと守っていただいてきましたから、今後も提示のとおりに取り組んでまいりましょう。

おすすめのポイント

三月の歌舞伎座は、第一部・第三部に宙乗りのある華やかな演目が揃っています!それと対照的に第二部は、江戸情緒満載の渋くてカッコいい狂言立てです。とても贅沢でしびれます。各部の内容を簡単にご紹介いたします。

 

第一部「新・三国志」は、当代猿翁さんが三代目猿之助時代の平成初期に創始した「スーパー歌舞伎」の代表的作品のひとつ。歌舞伎座初上演という記念すべき舞台です。今回は「関羽篇」と題して猿之助さんが関羽をお勤めになります。宙乗りありのエンターテインメント性の高い舞台ですので、初めての方や三国志ファンの方にもおすすめです。

 

第二部「河内山」は、幕末期から明治にかけ活躍した名作者の河竹黙阿弥の代表的作品のひとつです。江戸城に出入りするお数寄屋坊主・河内山宗俊による、痛快な職権乱用のお話です。悪党ながら憎めない河内山の七五調のセリフが耳に心地よく、カッコいい演目であります。今回は仁左衛門さんが河内山宗俊をお勤めになります。仁左衛門さんの悪党はどうしてあんなに素敵なんでしょうか…たまりませんね。

続く「芝浜革財布」は、円朝の落語「芝浜」をもとにした芝居です。酒で失敗ばかりして妻に苦労をかけている魚屋の政五郎が、芝浜にて大金の入った財布を拾うのだが云々…というお話。夫婦の絆を描いた心温まる名作で、初めての方にもわかりやすい内容かと思います!今回は政五郎が菊五郎さん、女房のおたつがと時蔵さんという、こちらもたまらない配役です。

 

第三部「信州川中島合戦」は、輝虎配膳の名で知られる演目。主役の長尾輝虎を芝翫さんがお勤めになります。きらびやかな衣装を着たゴリゴリの戦国武将は歌舞伎らしいカッコよさのある役どころです。初めての場合内容はわかりにくいかもしれませんが、内容の理解を越える圧倒があるのではと思います。

続く「石川五右衛門」は、大どろぼうの石川五右衛門を描いた、こちらもカッコいい演目です。宙にぶら下がった葛籠から石川五右衛門が抜け出てくるド派手極まるシーンが有名です。

石川五右衛門の葛籠抜けは、数年前に吉右衛門さんがお勤めになっていました。今回五右衛門をお勤めになる幸四郎さんの思い入れも相当のものと思います。思えば三月は、国立劇場で菊之助さんが、歌舞伎座で幸四郎さんが吉右衛門さんゆかりの役をお勤めになるのですね。日を追うごと寂しさは募りますが、お二人の今後のご活躍を希望として過ごしていきたいです。

 

初めてご覧になる方にはどの部もおすすめです。特に第一部・第三部は視覚刺激の強い狂言立てかと思います。そんな中、あえて激押ししたいのは第二部です。菊五郎さん、仁左衛門さん、東蔵さんの人間国宝そろい踏みで、あれ私いま江戸にいるのかな?と思えるほどの芸の深みが堪能できること請け合いです。

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