歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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歌舞伎座 三月大歌舞伎 第一部 新・三国志を見てきました!2022年

みなさまいかがお過ごしでしょうか。今日で東日本大震災の発生から11年となりましたね。震災及びその影響で命を落とされた方々に心より哀悼の意を表し、現在も困難のなかにある方々へお見舞い申し上げます。

あの日は、本当に恐ろしかったですね。東京にいた私も、生きた心地がしませんでした。生かされた命を守るべく、いま一度災害の備蓄品や対策、避難時の集合場所などの確認をしておきたいと思います。近ごろはふたたび動乱の世の中で、生きていることのありがたさ、苦しさを感じながら日々を送っています。どうか良い方向へ物事が進みますようにと願うばかりです。

 

さて先日のお話ですが、歌舞伎座へ出かけまして三月大歌舞伎の第一部を拝見してまいりました。備忘録として少しばかり感想をしたためておきたいと思います。

まだ公演前半ですし、楽しみにしていらっしゃる方が大勢おいでのことと思いますので、具体的な内容についてはお話を控えますが、ご心配な方はどうぞこの先をお読みにならぬようご注意くださいませ。

福之助さんと右近さんに感動

第一部は「三代猿之助四十八撰の内 新・三国志 関羽篇

三代目猿之助時代の猿翁さんが1999年にお勤めになったスーパー歌舞伎の人気作で、当代猿之助さんの新演出により今回歌舞伎座で初めて上演されています!今回の主な配役は、猿之助さんの関羽、笑也さんの劉備、浅野和之さんの曹操、中車さんの張飛というものです。

 

この作品は羅貫中の小説「三国演義」をもとにした筋ですので史実とは違うのですが、恥ずかしながらこのすえひろは不勉強ゆえ三国志がちんぷんかんぷんな状態でして、わかるかなあと不安に思っておりました。しかし、筋立てのわかりやすさ、役者さんのお芝居、衣装や舞台美術の美しさと親切さも相まって、内容の理解にとどまらず、心動かされる体験ができました。

 

なかでも驚かされたのは、福之助さんと右近さんの存在感です!

特に福之助さんは大抜擢の役どころだったのではないかなと思います。大きくてカッコよかったですし、セリフも胸に響きました。この数年、密かに注目し応援しておりましたが、舞台を重ねるごとにめきめきと存在感を発揮されていて、大変まぶしく感じます。引き続きご活躍に注目して拝見します。

また、中国風の拵えにぴったりはまった右近さんのお美しさ、華やかさ、息を飲むようでした…。再来月の弁天小僧の大舞台、ますます楽しみになりました。

 

失われたものを数えてしおれている間にも、若手の方々がめきめきとご成長なさっていること、非常に喜ばしく、頼もしく、大きな希望を感じます。今後も毎月の芝居をすみずみまで楽しみに拝見していきたいと思います。

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