歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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歌舞伎座 三月大歌舞伎 第二部 を見てきました!② 2022年

先週の9日から三月大歌舞伎「河内山」を休演なさっていた仁左衛門さんが、本日16日から舞台へご復帰になりましたね!

実はこのすえひろも本日、歌舞伎座で三月大歌舞伎の第二部を拝見することができました。ご心配なさっている方が大勢おいでのことと思いますので、ごく簡単にご様子をメモしておきたいと思います。

偶然にも休演決定の9日とご復帰の16日に観劇の予定があったため、感情の乱高下でどうにかなりそうでしたが、お元気なお姿を拝見して心から安堵いたしました…。

万雷の拍手のなかご登場

仁左衛門さんのご登場時は拍手がしばらく鳴りやまず、客席中から安堵の気配と喜びのムードが漂うあたたかな時間でした。

質見世では台を持った黒衣の方が後ろに控えておられ、お膝のようすが少し心配でしたが、ご発声のようすは休演なさる前よりもむしろお元気なように思われ、ゆっくり休養なさったんだなあと安堵いたしました。

 

質見世の出と玄関先の引っ込み以外は、花道を使用しない演出に変わっていました。

具体的には松江邸広間の場から松江邸書院の場への移行に暗転が使用され、松江邸書院から河内山は板付きで登場という具合です。詳細をしっかり覚えている方ではないので、他にも変更点があったかもしれません。すみません。

幕切れ花道での「馬鹿め!」は変わらずです。演出も変わらずですし、もちろん変わらずカッコよかったです。変わらずと申しますか、常に現時点が一番カッコいいのですから、さらにカッコよかったです。たまりませんでした。

「馬鹿め!」のあと、取ってつけたような高僧らしい体裁で引っ込んでいく様が大好きです。高僧っぽくしているのが内心おもしろくってたまらないように見えてきます。高僧の姿は同じでも、堕落する前の清玄のようすとは全く違うのですよね。唸らされます。

 

なにはともあれ、ご復帰おめでとうございます。本当にうれしいです。

いろいろと心配は尽きませんけれども、ご無理なさっているのかどうかは知る術がありませんし、ご本人が舞台に上がられたということが全てなんだなあと思います。少なくとも客席の私はお元気さを感じ、安堵することができました。

体調不良で一週間程の休演というのは、これまでも様々な役者さんで経験していたことだと記憶していますが、なんだか自分の中で休演というものが強烈なトラウマと化しているのだなと自覚しました。歌舞伎役者の方々にはどうかご無理なさらず、末永くお健やかにお過ごしいただきたいです。状況が改善されることを祈っています。

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