歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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歌舞伎座 四月大歌舞伎 第一部 天一坊大岡政談を見てきました! 2022年

すっかり春の陽気ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

このすえひろはといえば、今週放送されたカムカムエブリバディの最終週のめくるめく展開にワクワクし、本日の最終回にいたく感動、また1話から見返したいなあと思っていたところです。壮大な物語でしたね…。ここ数年朝ドラ視聴を習慣づけていますが、最終週までこれほどハラハラしたのは初めてのことでした。

朝ドラというのは好みが分かれるのもおもしろいところだなあと思います。私は秋冬に放送されるの関西放送局の作品、特に安達もじりさんの演出の回が大好きです。次の作品も楽しみです。

 

さて、先日のお話ですが、歌舞伎座へ出かけまして四月大歌舞伎の第一部を拝見してまいりました。備忘録として少しばかり感想をしたためておきたいと思います。

天日坊と天一坊 それぞれおもしろい

第一部は通し狂言「天一坊大岡政談」。コロナ禍に入ってからというもの上演時間の短い演目が多かったので、なんだか歌舞伎座で古典の通し狂言を見るのが久しぶりなような気がして、非常にワクワクいたしました。

主な配役は松緑さんの大岡越前守、猿之助さんの天一坊、愛之助さんの山内伊賀亮。江戸時代の天一坊事件を題材とした、いわゆる大岡越前の名捌きを描いた演目です。

 

先日同じ題材のコクーン歌舞伎「天日坊」を拝見したばかりでしたので見比べる楽しみがありました。「天一坊大岡政談」は良い意味でサラサラとしたお約束の連続で、理屈抜きの歌舞伎らしさを味わうことができました。

コクーン歌舞伎のように悪に至る人間の内奥を味わうのもおもしろいですし、悪い奴はただひたすらに悪い奴なのだが妙に憎めないという歌舞伎的カテゴライズの妙を味わうのもまたおもしろいなあと思います。どちらも大好きです。

 

役者さんそれぞれが適材適所で会った点もおもしろかったですね。特に今回の松緑さんのお化粧や所作に、川本喜八郎の人形アニメーションに出てくる武将のような面影を見て、見入ってしまいました。美しかったです。

お約束の連続でわかりやすい展開、爽快感もありおもしろい演目ですので、初めての方にもおすすめです!

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