歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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【来たる14日】歌舞伎座・團菊祭五月大歌舞伎 チケット一般発売!

あさって14日(木)は5月の歌舞伎座公演

團菊祭五月大歌舞伎のチケット一般発売日です!

今年は久しぶりに明治の名優たちの名を冠した「團菊祭」が行われるとあって、演目も配役も熱いものが揃っています!新型コロナウイルスの新規感染者はあまり減っていないように思われますが、全日程で公演が無事開催されますよう願っております。

歌舞伎座では今も厳戒態勢で迎えてくださっていますので、我々観客の方でも劇場にウイルスを持ち込まぬよう充分注意してまいりましょう。

公演の詳細

www.kabuki-bito.jp

一般発売日

4月14日(木)10:00~

【チケットWeb松竹】

会期・上演時間

2022年5月2日(月)~27日(金)

第一部 11:00~
第二部 14:30~
第三部 18:15~

休演日:10日(火)、19日(木)

チケット料金

一等席        16,000円
二等席   12,000円
3階A席      5,500円
3階B席      3,500円
1階桟敷席  17,000円

歌舞伎座では一月から販売座席数が少し増え、原則2列並びとなりました!舞台の見え方も、以前の歌舞伎座に近づきつつあります!2列並びとはいえ、会話は控えることが呼びかけられています。お友達とお出かけになる方が増えるかと思いますが、どうぞご注意くださいませ。

歌舞伎座の感染対策

歌舞伎座の感染対策についてご心配なさっている方もおいでかと思いますので、昨年8月の再開時に実際に出かけてきた際の記事をご紹介しておきます。このあと上演形態は変わりましたが、玄関での入場時の作法は変わりません。記事公開後の大きな変更は、①筋書の販売再開、②2席並び販売、③めでたい焼き予約販売(持ち帰りのみ)です。

www.suehiroya-suehiro.com

 

現在感染状況は落ち着いていますが、状況が悪化した場合も歌舞伎公演が続くために重要と思われるポイントがあります。今一度我々観客の方でも徹底してまいりましょう。

①ロビーや客席では会話を控えることが推奨されています。

②整理退場への協力が求められています。終演後も係の方からの案内があるまで座席で待ちましょう。

会話を控えるのはもちろん、整理退場も出入口での密集を避けるための大切な施策ですので、ご自身の身を守るためにもぜひご注意ください。

歌舞伎座の感染対策はこれまで非常に厳格に守られ、我々観客の健康をしっかりと守っていただいてきましたから、今後も提示のとおりに取り組んでまいりましょう。

おすすめのポイント

五月の歌舞伎座は久しぶりに「團菊祭(だんぎくさい)」の名を冠した公演です!

團菊祭」とは、明治時代に活躍した九代目市川團十郎五代目尾上菊五郎、二人の名優の功績をたたえるために始まった興行。「團菊」という文字の形からしてカッコいいですね。

このお二人は、いま我々が見ることのできる歌舞伎のスタイルを作り上げた方々といっても過言ではありません。歌舞伎は江戸時代のものがそのままの形で守られていると思ってしまいがちですが、激動の近代を生きた役者さん達の活躍あってこそ、今も残っているのです。お二人の名跡が受け継がれ、團菊祭が今も続いていることに胸が熱くなります。

團菊祭」では、市川團十郎家の成田屋・尾上菊五郎家の音羽屋に伝わる演目が上演されます。二つの家に伝わる芸は、歌舞伎の名作として知られるものばかり。今回の團菊祭も初めての方におすすめしたい演目がそろっていますよ!

では、各部の内容を、簡単にご紹介いたします。

 

第一部「祇園祭礼信仰記 金閣寺」は、桜満開の金閣寺が舞台。大道具がキレイな歌舞伎演目TOP3に入れたいくらいの美しい演目です。天下を狙う秋月大膳という悪者が、人妻の雪姫に横恋慕してこれを縛り上げたところへ、此下藤吉実は真柴久吉という爽やかなさむらいが駆け付けて云々…という、なんとも耽美な内容です。今回は雀右衛門さんの雪姫、松緑さんの秋月大膳、愛之助さんの真柴久吉という配役です。雪姫は女形の大役ですので必見です。

続く「あやめ浴衣」は、端午の節句や初夏の風物詩を描く舞踊です。近年乱れつつある季節感を存分に感じられる時間です。

 

第二部「歌舞伎十八番の内 暫」は、市川團十郎家に伝わる十八の芸のうちのひとつ。昨年の東京オリンピック開会式で海老蔵さんが披露していた、ド派手な衣装の演目です。今回も海老蔵さんがお勤めになりますので、あの存在感を目の当たりにできるチャンスです!

善良なる人々が悪者に追い詰められ、絶体絶命のピンチを迎えたところへ、超人的ヒーローが颯爽と登場。悠々と悪者を追い払い、めでたしめでたしというシンプルな内容で、理屈抜きに楽しむことができます。歌舞伎を見たという満足感が大きい演目ですので、初めての方には特におすすめです。

続く「土蜘」は、日本の古典でお馴染みのモンスターハンター源頼光が登場する、妖怪退治の舞踊劇です。祈祷に現れた僧が土蜘の精の本性を顕し、糸を撒き散らして頼光に襲い掛かるという内容で、独特の妖しさが魅力です。

音羽屋に伝わる芸で、今回は朝の連続テレビ小説「カムカムエブリバディ」の時代劇スターモモケンとしてお茶の間を賑わせた尾上菊之助さんが土蜘の精を、お父様の菊五郎さんが源頼光をお勤めになります。菊之助さんの品格と妖艶さに魅せられること請け合いの演目です!

 

第三部「市原野のだんまり」は、登場人物たちが暗闇の中で互いをさぐりあうようすを様式的に表現する「だんまり」という演出を見せる演目。歌舞伎ではおなじみの、スローなダンスのようなおもしろい演出です!

続く「弁天娘女男白浪」は、五人組の犯罪グループに所属する女装の盗賊が、女のフリをして呉服店に乗り込んで詐欺行為を働くというお話。性別を自在に行き来する歌舞伎役者の方ならではの芸が堪能できる人気の演目です。「知らざぁ言って聞かせやしょう」という名ゼリフで有名です。作者の河竹黙阿弥のセリフは七五調で、耳がうはうはと喜ぶような気持ちよさがあります。

今回は五人の盗賊の集団「白浪五人男」の配役が非常に若い点にも注目です!主役の弁天小僧菊之助を尾上右近さん、南郷力丸を巳之助さん、忠信利平を隼人さん、赤星十三郎を米吉さん、日本駄右衛門を彦三郎さんがお勤めになります。生涯にわたって何度もお勤めになる当たり役となることを願っています!

 

今回初めてご覧になる方にはどの部もおすすめですが、特におすすめしたいのは第二部でしょうか。演目のバランスもよく贅沢な配役ですし、歌舞伎を見た感が非常に強いと思います!

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