ただいま歌舞伎座で上演されている團菊祭五月大歌舞伎!
第一部で上演されている「祇園祭礼信仰記 金閣寺」は、桜の咲く金閣寺を舞台とした非常に美しい演目で、古典の時代物の大作として知られています。女形の方の大役である主人公の雪姫は、今回は雀右衛門さんがお勤めになります。襲名披露でもお勤めになっていたゆかりの演目です。
「祇園祭礼信仰記 金閣寺」については過去にお話したものがございますので、ここにひとつまとめてみます。拙い内容のものが多くお恥ずかしいのですが、芝居見物や放送、配信などのお役に立てればうれしく思います!また機会を見て、改めてお話したいと思います。
金閣寺とは
金閣寺(きんかくじ)は、祇園祭礼信仰記(ぎおんさいれいしんこうき)という全五段にわたる長い物語のうちの一場面です。宝暦7(1757)年12月に人形浄瑠璃として上演されて大評判となり、翌月の宝暦8(1758)年1月に歌舞伎として上演されました。
つま先でねずみを描いたら本物のねずみが現れたという雪舟の有名なエピソードを基にした、ファンタジー展開のある美しい演目です。
ざっくりとしたあらすじ
金閣寺は数ある歌舞伎の演目のなかでも特に美しい大道具が使われ、桜の花が舞台一面に咲き乱れ、うっとりと楽しめる演目であります。しかしながら、初めてご覧になる場合はお話の内容がややつかみづらい部分もあるかもしれません。全体を4回に分けてざっくりとお話したのが下記の回です。
古い記事で拙い内容ですので、機会を見て改めてお話をしたいと思います。
主人公の雪姫は大役
今月雀右衛門さんがお勤めになる雪姫の役は、「三姫」に数えられる女形の大役。縄で縛られ、桜吹雪のなかで涙にくれる姿には、被虐美と表現される独特の美しさがあります。
秀吉と金閣寺
今回は愛之助さんがお勤めになる此下東吉実は真柴久吉という実にカッコいい登場人物は、天下人・豊臣秀吉をイメージしたキャラクターです。歌舞伎における秀吉についてお話したのがこちらの回です。
極悪人 松永大膳のいろいろ
金閣寺のなかでもうひとり大変特徴的なキャラクターが松永大膳であります。
松長大膳のようにもさもさとボリュームのある髪型の人物は、たいがいが天下を狙う極悪人というのがお約束。この大膳の演出にまつわる歌舞伎用語がいろいろとあり、そのことについてお話したのがこちらの回です。