早いもので五月も今日で終わり…
先週23日は秀太郎さんのご命日でしたね。ご命日とは言いながら、まだ亡くなられたと信じられず、ご出演を待っているところがあります。同じようにお感じの方も大勢おいでのことと思います。思い出のあることを幸せに思いながら過ごしていくしかありませんね。
今月は前半に仁左衛門さんの帯状疱疹の報があり心配の募る日々ではありましたが、歌舞伎座へ出かければ芝居が楽しく、東劇へ出かければシネマ歌舞伎の楽しい、ありがたいひと月でした。しょんぼりするのも歌舞伎、心躍るのもまた歌舞伎です。
大坂へのあこがれが募り
歌舞伎座の思い出はたくさん書きましたのでそれ以外のことを残しておきたいと思います。
今月は家族とともに大好きな大阪を拠点に奈良や京都を旅してまいりました。なんばや心斎橋の町にはシャッターが降りているお店が想像以上に多く、つらい気持ちになりました。しかし人出は猛烈であり、新型コロナウイルス感染拡大前に戻りつつあることを肌で感じました。
とにかく大阪が好きですので、実に3年ぶりに大阪の地に降り立つことができ、とてもしあわせでした。突き刺すような日差し、音楽のような言葉、にぎやかな街並み、全てにワクワクいたしました。町にはまた必ず賑わいが戻ると信じています。
上方をルーツとする演目を味わい尽くし、文化への理解を深めるため、ここ数年にわたり新旧問わず上方の文化に広く触れるべく努力してまいりましたが、あまりにも好きになりすぎて、短期間でも住んでみねば気持ちが収まらない境地に到達しそうです…。
ひとまず7月の松竹座で、募る思いを再び発散してきたいと思います。治安がよく、マンスリーマンションのある地域でおすすめがありましたら、ぜひご一報くださいませ。
上方の文化といえば、今月は文楽公演の第一部「義経千本桜」と第二部「競伊勢物語」を拝見してまいりました!勘十郎さんの狐忠信を拝見でき興奮しました。狐の姿ももちろんのこと、人間の姿の狐忠信がみせる首や手の小さな動きに見入りました。
ちょうど大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で義経が都落ちをするあたりを見ておりましたので、お人形が菅田将暉さんと石橋静河さんに見えてきたのも新鮮でした。ジャンル問わず魅力ある演者さんと同じ時代を生きることができ幸せです。
同じ題材であっても様々なジャンルの作品に触れてみますと、双方の味わいに奥行きが生まれますね。古いものであっても新しいものであっても、それぞれの時代を生きるたくさんの人が知恵と工夫を凝らして作り上げた物語を大切に拝見していきたいです。
それはそうと!!ついに十三代目市川團十郎白猿襲名披露、八代目市川新之助初舞台の日取りが発表になりましたね!!!
当初の3ヶ月の予定が2ヶ月になり、どうやら日程も少し短いようなので、チケットは争奪戦となることと思います!高価なチケットに備えて節約に励みます。
ひとまずは演目と配役の発表が楽しみですね。当初の襲名披露と大きく変わらないといいなあと思っているのですがどうなるでしょうか。特に、予定されていたニザ玉の勧進帳がどうしても見たいです…。吉右衛門さんの対面と暫のウケを見ることが叶わなかったことがつらく、せめてニザ玉の勧進帳はと祈っています。團十郎襲名ということで不動明王にも心してお祈りしておきます。
さて、来月はどんな芝居が待っているのでしょうか…
楽しみに今夜は休みたいと思います。おやすみなさいませ。