歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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2日から!国立劇場 令和4年6月歌舞伎鑑賞教室「彦山権現誓助剣 毛谷村」

昨日2日から東京半蔵門の国立劇場で、令和4年6月歌舞伎鑑賞教室「彦山権現誓助剣 毛谷村」が始まりましたね!

歌舞伎鑑賞教室は主に初心者の方向けて毎年夏に開催されている解説付きの歌舞伎公演です。わかりやすい演目が選ばれていることに加え、チケットの価格設定が通常の歌舞伎公演に比べてリーズナブルですので、最初にどんなものを見ればよいのかお悩みの方には大変おすすめです。

今回の演目は特に、歌舞伎では比較的珍しいほのぼのとしたストーリーで、後味爽やかかつ内容的にもおもしろいのでぜひにとおすすめいたします!

6月歌舞伎鑑賞教室 「彦山権現誓助剣 毛谷村」

今回の演目「彦山権現誓助剣 毛谷村」は、漫画などでもお馴染みのあの宮本武蔵がモデルとされる爽やかで心優しい好青年・毛谷村六助と怪力女子・お園の物語です。

亡き母の墓参りに日々出かける孝行者の六助は、ひょんなことから謎の迷子を預かることになり、その縁で男勝りな怪力のお園と出会います。

怪力のお園は六助の亡き師匠・吉岡一味斎の娘であり、六助の許嫁でもあったことが判明。これは恋の予感…という折、一味斎を殺害した仇も明らかに。六助は仇討ちを目指す!という、非常にシンプルなストーリーです。

 

毛谷村六助というのは数ある歌舞伎の登場人物のなかでもずば抜けて人当たりの良いイイ奴であり、実はかなり現代的な人物造形なのではないかなと思っています。

歌舞伎の演目のなかには、人によっては受け入れがたい倫理観のものも多く含まれていますが、そういった方にも違和感が比較的少ないと思われるソフトな演目、それでいて面白みもあるという稀有な作品です。

また江戸時代には怪力女性ブームというべきおもしろ現象があったそうで、その片鱗を味わうことができるのも魅力です。人間のあくなき娯楽への欲求を感じられます。

 

現時点でチケットは購入可能です。一等席が4,500円というのもなかなかない機会ですのでぜひにとおすすめいたします!

www.ntj.jac.go.jp

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