歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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【2022年6月博多座で上演中!】やさしい義経千本桜 すし屋 まとめ

ただいま福岡・博多の博多座では、六月博多座大歌舞伎が上演されています!

昼の部で上演されている「義経千本桜 すし屋」は、原作に忠実な上方の型とすっきりとした江戸の型の二つのパターンがある演目です。今回は主人公のいがみの権太を尾上菊五郎さんがお勤めになっていて、江戸の型の最高峰といえる貴重な舞台となっています。初めての方にこそおすすめしたい舞台です。

義経千本桜 すし屋」は、過去にこちらのブログでもお話したものがいくつかございましたので、関連するものを含めてひとつまとめてみます。何らかのお役に立てれば嬉しく思います。

そもそも義経千本桜とは?

義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)は、三大狂言のひとつにも数えられる名作中の名作。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で描かれたことで注目されている源平合戦を題材としています。

人形浄瑠璃として1747(延享4)年11月 大坂は竹本座で初演、その直後の1748(延享5)年1月 に伊勢の芝居で歌舞伎化され、5月には江戸の中村座でも上演、その後現在に至るまで、ずっと愛され続けているというメガヒット作であります。

 

壇ノ浦で滅ぼされた平家の武将が実は生きていた」という設定のもと、義経への復讐をどうにか遂げようとする武将たちとその周辺の人々の間に悲劇が展開していきます。

義経千本桜とありますが、実は主人公は義経ではありません。主人公といえる存在は3人いてそれぞれ武士・庶民・動物と身分が異なり、場面ごとに味わいがガラリと変わるところも大きな魅力です。それゆえ、歌舞伎役者の方々にとっては至難とされています。

物語全体は大きく4つのトピックに分かれていまして、全体の大きな流れについてお話したのがこちらの回です。すし屋は3トピック目にあたります。

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ざっくりとしたあらすじ

先ほどもお話した通り、すし屋には原作に忠実な上方の型とすっきりとした江戸の型があります。こちらであらすじをお話しておりますが、こちらは仁左衛門さんが上方の型でお勤めになったときのものです。

今回の菊五郎さんの舞台とは演出が全く異なりますのでその点は何卒ご注意ください。上方の型を念頭に置きますと、また味わいも深まるかもしれません。お役に立てれば幸いです。

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江戸と上方の権太

江戸の権太と上方の権太の違いや、パッと見分けるポイントなどをお話した回がこちらです。

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「鎌倉殿の13人」と義経千本桜

現在放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で描かれた歴史上の出来事や伝説の逸話と、それにゆかりのある義経千本桜の名場面「鳥居前」「渡海屋・大物浦」についてお話したのがこちらの回です。

タイミングを逸してお話できませんでしたが、「鎌倉殿の13人」には「すし屋」にゆかりのある逸話も登場していました。富士川の戦いにおいて平維盛の陣が、水鳥の羽音を大群と思い込んで逃げ出したというものです。

「すし屋」ではそんなエピソードを持つ平維盛が、線が細く頼りないが麗しく高貴なる人物として登場しています。しかもお寿司屋さんで働いているという設定がおもしろいですね。

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「すし屋」のすしを掘り下げてみました

以下のふたつのお話は完全に私の趣味で、すし屋はどんなすし屋なのかということをねちねちと掘り下げてみたものであります。ご興味あらば、お読みいただけたらうれしいです。

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公演の詳細

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