感染が拡大する新型コロナウイルスに加えて、サル痘なるものも騒がれ始めていますがみなさまいかがお過ごしでしょうか。サル痘については現時点ではまだそこまで恐れることはなさそうですが、聞き慣れない病気というだけでもなんだか不安になりますね。体調を崩しやすい時期ですので、どうぞご自愛ください。
それはさておき先日、梅玉さんが重要無形文化財保持者、つまり人間国宝に認定されましたね…!!旅先でニュースに触れ、非常に興奮いたしました…!おめでとうございます!!!
梅玉さんのご年齢の認識が60代のままストップしていたので報道で75歳という数字を見て驚いてしまいました。どこからどう見ても貴公子でいらっしゃるので…。今後もいつまでもお元気で末永くご活躍いただきたいです。
人間国宝とはなにか?
人間国宝とは、正式には各個認定を受けた重要無形文化財保持者を指す言葉です。
伝統芸能や工芸技術など、無形の文化財の中でも特に歴史上・芸術上の価値が高く、日本の文化において重要な役割を担っていると認められた方であります。
重要文化財が建物や器などの目に見える「物」を指しているのに対し、重要無形文化財は個人や集団が有する形なき「技」そのものを指していることに特徴があります。
人間国宝は、その技をさらに磨き、後世に伝える後継者を育てるという使命を託され、国から助成金を交付されます。
歌舞伎界では現在、敬称略で下記の方々が認定されています!
七代目尾上菊五郎
五代目坂東玉三郎
十五代目片岡仁左衛門
六代目中村東蔵
錚々たるお顔触れです。ここに梅玉さんが加わり、現在歌舞伎役者として人間国宝に認定されている方は合計5名となりました。初めて歌舞伎をご覧になる方や、どんな演目を見たらよいかお悩みの方は、上記の方々が御出演の舞台をぜひにとおすすめいたします!
思えば、前回2019年に秀太郎さんが人間国宝に認定された際には、合計8名もいらしたんですね。この数年のうちに、たくさんの方がこの世を去られたことがわかります。
四代目坂田藤十郎
二代目中村吉右衛門
二代目片岡秀太郎
六代目澤村田之助
こうして現実を直視すると本当に寂しくなってしまいますが、秀太郎さんが人間国宝に認定された時のあの喜びは忘れられません。
その前の東蔵さんも、仁左衛門さんも、現在のペースで歌舞伎を見るようになってからの人間国宝認定はすべて、心の底からうれしい出来事でした。好きな役者さんが生涯かけて積み重ねてこられた芸の素晴らしさや大切さが公に認められるというのは、観客にとってもなんとも言えない大きな喜びです。
近ごろ推し活という言葉が流行っていますが、推しが人間国宝に認定される喜びというのはなかなか味わえるものではない、伝統芸能ファン特有のものではないでしょうか。このレアな喜びを噛みしめながら、次に梅玉さんのお姿を拝見できる日を心待ちにしたいと思います。