歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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あすのEテレ新・にっぽんの芸能が長谷川一夫特集で熱い

早いものでもう九月に突入いたしましたがみなさまいかがお過ごしでしょうか。

今日は九月一日、防災の日ですね。関東大震災では私の祖母も被災し、子どものころその恐ろしい体験を繰り返し繰り返し聞かされました。周りの方々が炎に包まれる東京の街で祖母の命を守ってくれたおかげで、今こうして生きていられます。大切な命を守るために、いつ来るかわからない災害に備えていかねばと思います。

歌舞伎座は災害時、地下空間が巨大防災施設となるそうです。歌舞伎座で巨大地震に遭った場合は無理に帰るのではなく、その場に留まるのが賢明かもしれません。

 

話は変わりまして、あす1日(金)21:25~22:00 NHKEテレで放送される「新・にっぽんの芸能」が楽しみすぎてワクワクが止まらず、つい筆を取らずにはおれませんでした。「蔵出し!名舞台 伝説の二枚目・長谷川一夫」とのことです…!

長谷川一夫の雪之丞変化を見て

伝説の二枚目、なんて素敵な響きでしょう。長谷川一夫といえば、いわずと知れた昭和の映画界の大スターであります。初代中村鴈治郎のもとで歌舞伎の女方として人気を博し、その後時代劇スターして映画界に君臨。舞台や宝塚歌劇の演出でも名を馳せた方です。

江戸で目千両と呼ばれた役者といえば五代目半四郎ですが、長谷川一夫も目千両と呼ばれた方であったようです。古い映画や写真を拝見しますとそれも納得の美しさであります。昔のスターというのは本当に惚れ惚れとするような魅力がありますね。

 

近ごろは有名な市川崑監督の映画「雪之丞変化」を拝見したばかりでした。美しい歌舞伎女方の雪之丞が、父の仇を討たんとする復讐の鬼の側面を内包、周辺の女性を惹きつけ葛藤しながら目的達成へ邁進するお話です。玉三郎さんが歌舞伎座の舞台で斬新な演出でお勤めになったのも記憶に新しい作品です。

この映画には父の仇として二代目鴈治郎も出演していて、とにかく画面が濃厚です。1963年版とあって、長谷川一夫はさすがに年を取りすぎていたという意見もなかにはあるようですが、私はその逆で、さすが女方出身の方は年齢を自由に行き来する技をお持ちだなと感心したのでした。なまめかしい目つきはまさに目千両であります。色っぽい、では足りません。なまめかしいです。アップのシーンなどは息を飲むようで、歌舞伎の舞台で拝見するよりも映画向きの方だったのだろうなと思われました。

 

このすえひろはご存命の間にこの世に生を受けることができず、ご健在の頃を知らないので今回の番組は本当にありがたいです。Eテレのほかにいま長谷川一夫特集を放送してくださる地上波チャンネルがあるでしょうか…ありがたい限りです。。

放送の詳細を見ますと鴈治郎さんがご出演のようです。どんなお話をなさるのか非常に楽しみです!

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