変則的で猛烈な台風が近づいているそうですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
近ごろは災害が増えているだけでなく、予測も難しくなっているように感じます。どうか少しでも被害が少なく済むよう祈っております。
お出かけ日和の秋はまだ遠いですね。何卒お気をつけてお過ごしください。
それはさておき、九月は吉右衛門さんの一周忌追善の秀山祭ということで、舞台以外にもさまざまな追善の企画があるようです。
銀座蔦屋書店に「播磨屋の本棚」
まずご著書『芸に命を懸けた名優 中村吉右衛門 舞台に生きる』が発売されています。
芸談やエッセイ、スケッチなど盛りだくさんの内容のようです。コロナ禍以降の日々についても綴られているそうで、我々観客にとっての空白の期間を埋めていただけるような一冊になるのではないかと想像しています。
注文を失敗してしまいこのすえひろの手元にはまだ届いていないのですが、届き次第心して拝読したいと思います。
刊行に際し、ギンザシックスの銀座蔦屋書店にて「播磨屋の本棚」と題した小さな展示が行われているそうです。吉右衛門さんゆかりの書籍の販売だけでなく、貴重な蔵書が展示されているということで、必見であります。
展示期間は9月いっぱいとのことです。歌舞伎座からは5~10分程度ですので、芝居見物の際に立ち寄られてはいかがでしょうか。このすえひろもぜひ拝見してまいりたいと思います。
さらに、9月から10月にかけて歌舞伎オンデマンドと衛星劇場、BS松竹東急(無料)でも舞台映像の配信・放送があります。
9月中は歌舞伎オンデマンドの追善企画第一弾として
『一條大蔵譚 檜垣・奥殿』(平成28年9月歌舞伎座)
『伊賀越道中双六 沼津』(平成22年9月新橋演舞場)
中村吉右衛門配信特別公演『須磨浦』(令和2年8月観世能楽堂)
が配信されるそうです。購入者は2019年のトークイベント「秀山祭播磨夜咄」が無料で視聴できるそうですからこちらも見逃せません。
一周忌と聞いても、いまだに舞台にお出ましにならないこと自体が信じられない思いで、現実を直視する怖さからか「読みたい!見たい!」というスイッチが鈍ってしまいます。同じ思いをされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そういった理由からまだ拝読できておりませんが、奥様の貴重なインタビューも公開されています。
お姿を偲ぶ術がたくさんあるのは、本当にありがたいことですね。映像も写真もなく、死に絵で偲ぶしかなかった江戸の歌舞伎ファンのことを思いますと、恵まれた時代を生きているなと思います。