歌舞伎ちゃん 二段目

『歌舞伎のある日常を!』 歌舞伎バカ一代、芳川末廣です。歌舞伎学会会員・国際浮世絵学会会員。2013年6月より毎日ブログを更新しております。 「歌舞伎が大好き!」という方や「歌舞伎を見てみたい!」という方のお役に立てればうれしく思います。 mail@suehiroya-suehiro.com

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8日から!大阪松竹座 大阪文化芸術創出事業 歌舞伎特別公演

本日9月8日より大阪道頓堀の大阪松竹座で、大阪文化芸術創出事業 歌舞伎特別公演が始まりましたね。おめでとうございます!

大阪文化芸術創出事業とは、新型コロナウイルスの影響を受けている文化芸術活動の、機会創出のため取り組みだそうです。その一環として、本日から11日の日曜日まで歌舞伎公演が行われます。

鴈治郎さん、猿之助さん、愛之助さん、壱太郎さんといった人気役者の方々そろい踏みの公演。そのうえ大阪らしい義太夫狂言の名作が並んでいますので、見ごたえ満点の公演であろうと思います。竹本義太夫ゆかりの地で味わう義太夫狂言は格別なのではないでしょうか。まだチケットが購入可能なようですので、お近くの方にはぜひにとおすすめいたします!

大阪文化芸術創出事業 歌舞伎特別公演

大阪文化芸術創出事業 歌舞伎特別公演は三部制の開催です。

第一部「傾城反魂香」「男女道成寺」、第二部「神霊矢口渡」「博奕十王」、第三部「夏祭浪花鑑」という狂言立てで、各部に義太夫狂言の名作が盛り込まれています。 

 

せっかくですので、義太夫狂言の内容をざっくりとご紹介いたします。

第一部「傾城反魂香」は、江戸時代の大坂で活躍した浄瑠璃作者・近松門左衛門の名作。絵の才能を持ちながらも、生まれつきの吃音症で御用絵師の職に就くことができずにもがく夫・又平と、それを支える妻・おとくの物語です。今回は又平を鴈治郎さん、おとくを猿之助さんがお勤めになります。猿之助さんのおとくは何とも言えぬ包容力があり、このすえひろも大好きです。ぜひにとおすすめしたい一幕です。

 

第二部「神霊矢口渡」は、鬼外福内なる作者の演目。実はその正体は、江戸の発明家 平賀源内です。強欲非道な父親に苦しめられている娘が、貴き男性に対し身分不相応な恋心を抱いてしてしまい、命がけでその人を守ろうとするという悲恋の物語です。大道具の仕掛けが楽しく、絵になる演目です。今回は実の親子である鴈治郎さんと壱太郎さんが父娘をお勤めになります!

 

第三部「夏祭浪花鑑」は、まさしく大阪を舞台にした演目。江戸時代より夏の定番となっている、名作中の名作です。ムショからシャバへ出たばかりの若者が、恩人への仁義のため、血なまぐさい事件を起こしてしまうというお話です。今回は主役の団七と、キーパーソンのお辰を愛之助さんが二役お勤めになります。

うだるような大坂の夏の暑さ、ギラギラの男たち、女たちの意地、びっしりと入った和彫…といった、こってり濃い目の物語であり、視覚的にも大変美しいので必見です!

 

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