ただいま歌舞伎座では秀山祭九月大歌舞伎が上演中です。
初代吉右衛門の芸を顕彰するため、昨年亡くなられた吉右衛門さんを中心に毎年九月に上演されていた「秀山祭」。古典の名作演目が並ぶ楽しみな公演です。今回は二世中村吉右衛門一周忌追善と冠し、吉右衛門さんの追善公演として上演されています。
第二部で上演されている「秀山十種の内 松浦の太鼓」は、初代吉右衛門の当たり役秀山十種に数えられているゆかりの深い演目です。吉右衛門さんの松浦候は本当に愛らしく、私も大好きでした。一番好きだったかもしれません。同じ方も多いのではないでしょうか。そんな思い出深い役を、今月は実のお兄様である白鸚さんが初役でお勤めになっています。白鸚さんも、ご共演の方々も、特別な思いで舞台に立たれていることと想像します。今月は劇中口上がありますので必見です。
そんな「松浦の太鼓」についてはこちらのブログでも過去にお話ししたものがございます。古くて稚拙なものも含まれますが、何らかのお役に立つことができれば幸いです。
松浦の太鼓とは
松浦の太鼓(まつうらのたいこ)は、1856年(安政3)5月江戸・森田座で初演された「新台いろは書初(しんぶたいいろはかきぞめ」ワンシーンを、明治時代にリメイクした演目です。いわゆる赤穂浪士の討ち入りを題材とした忠臣蔵のアナザーストーリー「外伝物」として今に伝わります。
まずはごく簡単に舞台の上で起こることをお話したのがこちらの回です。5年前のもので非常に拙いのですがご容赦くださいませ。
明日待たるるその宝船
冒頭の大高源吾と宝井其角の風流なやりとりが物語の鍵となります。宝井其角が登場する舞踊「雨乞其角」に寄せて、このやりとりについてお話したのがこちらの回です。
忠臣蔵ゆかりの地 両国
大高源吾と宝井其角が出くわす場面は両国橋。両国はまさに赤穂浪士が討ち入りをした吉良上野介邸があった場所で、忠臣蔵とゆかりの深い地です。実はこのすえひろの地元でもありますので、ぜひご紹介したく思いました。これはコロナ禍のはるか前の古い記事で、過去の情報ですのでご了承ください。