東京では秋晴れの陽気ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。少しずつ朝晩肌寒くなってまいりましたね。
このすえひろは何を着ていいものか毎日悩んでおります。9月の正解を知りたいです。
それはそうと先日、松竹歌舞伎会会員限定の歌舞伎座特別企画「定額制観劇サービス」を利用しはじめた所感をお話いたしました。
秀山祭九月大歌舞伎が千穐楽となり、利用期間も終了しましたので、使い終えた感想などを少しばかりしたためておきたいと思います。
とにかく最高でした。あまりにお得ゆえ、もう二度とないのではないかと思ってしまいますが、値上げがあったとしてもぜひまた実施していただきたいと願うばかりです。
フル活用はできるが相当の体力が必要
歌舞伎座「定額制観劇サービス」は松竹歌舞伎会会員限定、9月・10月限定の特別企画です。初日から千穐楽まで(休演日・貸切日除く)の2階席の空席(一等席・二等席どちらも。2階桟敷席も対象)が、すべての部で解放されるというもの。
月額24,000円(税込)で、いつ見ても何度見ても良いというお得すぎる企画でした。
実際、どれくらい活用できたのかということですが、このような結果になりました。
合計 全12回使用
内訳
・第一部:2回(偶数日・奇数日)
・第二部:4回
・第三部:6回
第三部は自分で別に購入したチケットもあり、実際に芝居を拝見した回数はもう少し多いです。第一部は貸切公演が多く、また奇数日・偶数日を回数を揃えたかったために少なくなりましたが、おおむね通常の月よりもかなり多く拝見することができました。
この結果は私が、歌舞伎座から30分程度の地域に住んでおり、通勤がなく時間の融通も利く仕事をしていることが大きく影響しています。しかしながら2回で元が取れるシステムですので、土日の使用だけでも充分にお得かと思います。
定額制観劇サービスは、実際の観劇日の一週間前から前日までに、電話で空席を伺って席を取っていただくシステムです。毎回一週間前に電話ができたわけではなく、前日の予約になってしまうこともありました。
それでも意外と良いお席が残っているもので、平日・土日を含め11回は一等席を取っていただくことができました。桟敷席やいわゆるロイヤルシートと言われる2階1列目が残っている日も多く、大変お得感がありました。
二等席を選んだ回が1回だけありましたが、これは一等席が取れなかったのではなくて、あえて座ってみたい場所を選んだためです。
歌舞伎座って本当に大きいんですね…。歌舞伎公演一択でこの座席数を毎月埋めるというのがいかに大変なことか、改めて実感した次第です。
当初はいつもより多く見られたら良いな…くらいの思いだったのですが、どれだけ見ても良い権利を手にしていると思うとつい限界に挑戦したくなってしまうようで、想像以上に高い頻度で歌舞伎座へ通うことになりました。
となると問題は体力でした。歌舞伎を見るのは想像以上に体力を使うのだということも思い知りました。ただじっと座っているだけのはずなのにです。
激しい視覚的刺激の中でセリフと詞章を聞き取り、現代人の心で味わうというのは、想像以上に頭を使うものなのかもしれません。頭を使いすぎると体も疲れますものね。それを日々演じている歌舞伎役者の方々というのは、やはり人間離れした超人だと思いました。
予約の確認に使用するようにとお送りいただいたメモは45回分使用できるようになっていましたが、45回も観劇できる方は体力的にも相当の猛者であろうと思います。脱帽です。
もしこの企画が再び実施されることがあれば、日常的な観劇に耐えうる体力を長期的に養っておきたいと思います。まずは夏の期間さぼり気味であった朝の散歩を再開して、来たる挑戦に備えたいところです。
そして今、非常に恐れていることがあります。
それは、二階で歌舞伎を見るのが当たり前の体に変化しつつあることです…。16000円が当たり前になる、これは大変危険です。。人間というのはすぐに贅沢に慣れるものなのですね…。おおお
定額制というお得な環境で贅沢に慣れてしまった結果、財布のひもがガバガバに緩み、チケット購入のハードルが劇的に下がり散財、さらに多くのお金を歌舞伎に投じることになるという天才的システム。もしやここにハマってしまったのでしょうか。これは一本取られました。
しかし歌舞伎を見るために働くのは本望であり、そのために生きていますから、万々歳であります。今後も歌舞伎に浮かれながら生きていく所存です。
とにもかくにも、「定額制観劇サービス」は素晴らしいものでした。このような企画を設けていただき、感謝の思いでいっぱいです。叶うことならばぜひまた実施していただきたいと願うばかりです!