ただいま浅草で平成中村座にて上演中の十月大歌舞伎!
平成中村座とは、江戸時代の芝居小屋・中村座を模した仮設劇場にて行われている公演です。中村屋のみなさまそろい踏みの人気公演で、ドキュメンタリー番組等でもお馴染みかと思います。
昼の部で上演されている「極付幡随長兵衛」については、過去に上演された際にいくつかお話したものがあります。古い記事で今以上に拙くお恥ずかしいのですが、何らかのお役に立てればうれしく思います。
そもそも極付幡随長兵衛とは?
極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)とは、明治14年(1881)東京の春木座にて初演された演目。作者は幕末の名作者、河竹黙阿弥。「湯殿の長兵衛」という通称も知られています。
日本の侠客の元祖といわれる幡随院長兵衛が主人公です。幡随院長兵衛といえば、江戸庶民にとってのヒーロー。現代人には馴染みが薄いかもしれませんが、とにかくカッコいい男の中の男という存在なのだと認識してください。
そんな幡随院長兵衛が己の美学を貫き通して美しく散るという、昔の映画のような熱いお話です。
「極付」とは?
幡随長兵衛はいきなりタイトルに「極付」とあり、お馴染みの…という雰囲気が醸し出されていますが初めてご覧になる方にとってはなにがなにやらというところ。
まずは演目の歴史についてお話いたしました。
「幡随院長兵衛」は実在
弱きを助け強きをくじく江戸庶民のヒーロー幡随院長兵衛は、実在の人物です。実在の幡随院長兵衛についてお話したのがこちらの回です。
町奴 VS 旗本奴
無頼漢の大喧嘩というのはフィクションのテーマとして大変人気ですがそれは江戸時代から変わらないようであります。町奴と旗本奴の対立構造についてお話したのがこちらの回です。
「すっぱりと突かっせえ」
極付幡随長兵衛は、幕末を中心に活躍した名作者・河竹黙阿弥の作品です。
河竹黙阿弥の作品の最大の特徴は、耳からしびれるような名セリフ!
声に出して読みたくなる、幡随長兵衛の名ゼリフをご紹介いたしました。
セリフはお勤めになる方や上演の条件によって多少変化しますので、その点はご留意くださいますようお願いいたします。
劇中劇には坂田金時
極付幡随長兵衛のおもしろいポイントの一つが、まるで江戸時代にタイムスリップしているかのような劇中劇の趣向かと思います。
個人的にこの劇中劇について知りたくなりお話したのがこちらの回です。かなりマニアックな内容ですが、ご興味をお持ちでしたらご一読くださいませ。