来たる14日(金)は11月の歌舞伎座公演
市川海老蔵改め
十三代目 市川團十郎白猿襲名披露
八代目 市川新之助初舞台
十一月吉例顔見世大歌舞伎のチケット一般発売日です!
2020年5月から予定されていた襲名披露興行がいよいよ幕を開けますね…!大名跡の襲名披露ですので、これぞまさしく顔見世という豪華な配役にも心が踊ります。通常の公演よりも日程がやや短いですから、今回も全日程で無事に上演されますよう祈っております。チケットはお早めのチェックをおすすめいたします!
公演の詳細
一般発売日
10月14日(金)10:00~
会期・上演時間
2022年11月7日(月)~28日(月)
昼の部 11:00~
夜の部 16:00~
休演日:14日(月)21日(月)
久しぶりの二部制です!
チケット料金
一等席 23,000円
二等席 18,000円
3階A席 8,000円
3階B席 6,000円
1階桟敷席 25,000円
襲名披露かつ二部制ということで、チケット代が値上がりしています。結構な値上がり幅がありますのでご注意くださいませ。
歌舞伎座の感染対策
歌舞伎座ではかなり徹底した感染対策が取られています。これまでお馴染みであった大向こうは今も禁止で、幕見席も再開されていません。しかし幕間の客席やロビーでのお食事が黙食にて解禁されました!芝居見物の楽しみがまた一つ戻りました。
特に重要と思われる対策は下記の2点です。
①ロビーや客席では会話を控えることが推奨されています。
②整理退場への協力が求められています。
会話を控えるのはもちろん、整理退場も出入口での密集を避けるための大切な施策ですので、ご自身の身を守るためにもぜひご注意ください。
歌舞伎座の感染対策はこれまで非常に厳格に守られ、我々観客の健康をしっかりと守っていただいてきましたから、今後も提示のとおりに取り組んでまいりましょう。
おすすめのポイント
十一月の歌舞伎座は、十三代目市川團十郎白猿襲名披露・八代目市川新之助初舞台。
長らく親しまれてきた海老蔵さんと勸玄さんが、この興行を持って新たな名跡を背負われることとなります。市川團十郎の名跡は宗家と呼ばれるように、江戸歌舞伎における最大のもの、歌舞伎のシンボルといえるものです。
歌舞伎と聞くと難しいイメージをお持ちの方もおいでかと思いますが、この襲名披露はとにかく底抜けに華やかなお祭りといった内容です。歌舞伎十八番の人気演目ばかりが並んでいますし、独特の祝祭感が感じられるはずですので、初めての方にぜひにとお勧めしたい公演です。各部の内容をごく簡単にご紹介いたします。
昼の部は、「祝成田櫓賑」からの幕開け。こちらは大勢の役者さんが並ぶお祭り的な一幕です。おそらく芝居小屋の前の風景といったような趣向になるのではと想像します。鳶頭や手古舞の芸者などが揃い、江戸の風情が感じられる場面となるはずです。
続く「外郎売」は、主役が長台詞をスラスラとよどみなく述べるのが眼目の演目。小さな勸玄さんが大人顔負けの口跡で見事にお勤めになっているさまが、テレビなどでもよく取り上げられていました。新之助としての初舞台でもこの演目が選ばれたということは、大人になられたときに思い出深く語られるものになるだろうと思います。目撃しておくと後の楽しみが増えそうです。
そして「勧進帳」にて、いよいよ十三代團十郎さんが登場します。都を追われた義経を守りぬこうとする弁慶と、それを迎えうつ関守の富樫。三人の命がけのドラマが展開します。大河ドラマ鎌倉殿の13人をご覧になっている方にはぜひ思い出していただきたいのですが、菅田将暉さんの義経が都を追われて奥州の藤原秀衡のもとへたどり着いたとき、山伏のような変装をしていましたよね。あの逃避行の道中、石川県あたりにおけるエピソードです。熱い人間ドラマであり、味わえば味わうほどに面白い演目といえます。
夜の部「矢の根」は、曽我十郎と五郎の兄弟が登場する成田屋ゆかりの演目。特にドラマがあるわけではないのですけれども、曾我五郎の荒々しさ、スケール感を感じ、おめでたい気分になるというものです。とにかく派手な衣装とくまどり、独特の動きなどなど、歌舞伎を見たぞという満足感を感じられる演目になるはずです。
続く「口上」は、襲名される團十郎さんと新之助さんを中心に、錚々たる重鎮たちが並び、ひとりひとり襲名披露の挨拶を述べていくというもの。歌舞伎役者の方々が裃姿でズラリと並んでいる様子、ドキュメンタリー番組やニュースなどでご覧になったことのある方もおいでではないでしょうか。これも記念になりますので大変貴重な機会です。
そして「助六由縁江戸桜」。江戸一番のモテ男・花川戸助六と、恋人の傾城揚巻、そして揚巻に横恋慕する髭の意休が、豪華絢爛な吉原で一堂に会して云々という演目。起承転結のある濃いドラマが展開するわけではなく、とにかく江戸の美学を見せつけるような趣向です。裏設定などはありますが、ストーリーについていかねばならないものではありませんのでご安心ください。個性豊かな登場人物たちがかわるがわる現れる、めくるめく一幕です。
どちらの部もおすすめなので選び難いですが、初めての方に特におすすめなのは夜の部でしょうか…。東京土産などでもお馴染みの助六は、知名度の割に上演頻度はそれほど高くはありません。登場人物が大変多く、ド派手な大道具の前にきらびやかな衣装を着けた歌舞伎役者の方々がずらっと並ぶ姿は圧巻です。襲名披露の口上もなかなか見られるものではありませんので貴重な機会です。
舞台のきらびやかさよりも内容のドラマ性を楽しみたい方は、勧進帳のある昼の部がおすすめです!全体的にヒントが少ない演目ですので、少しあらすじの予習をしてからご覧になると良いかと思います。ブログがお役に立てれば幸いです。
いずれの部をお選びになっても、多くの方が「歌舞伎」と聞いてイメージされるような舞台を必ずご覧になることができます。すべて團十郎家・成田屋ゆかりの演目「歌舞伎十八番」であるからで、それほどまでに團十郎の名跡は歌舞伎を象徴しているわけですね。
どうか、その重い名跡のもと新たな團十郎さんがお持ちのものすべてを生かし、様々な先人のもとで鍛錬を積まれ、この先歌舞伎役者として最大限に輝いていただきたいと切に願っております。