夜風の心地良い秋の夜更け、みなさまいかがお過ごしでしょうか。街明かりのあたたかな季節が近づいてまいりましたね。
このすえひろはといえば、来週の特別公演に着ていくものをあれやこれやと選んでおります。手打ち式は一生に一度あるかないかという機会ですので、いつになく気合が入ります。なぜかとてつもなく緊張しております。貴重すぎる舞台をしかと拝見し、またこちらのブログでお話したいと思います。
それはさておき、あす30日(日)21時~のNHKEテレ番組「古典芸能への招待」で先月歌舞伎座にて上演差されていた二代目中村吉右衛門一周忌追善の秀山祭より「松浦の太鼓」「揚羽蝶繍姿」の舞台映像が放送されるそうです。
さらに番組内容をよく読みましたら、
ありし日の舞台映像でつづる吉右衛門当たり役選。松王丸、河内山、一條大蔵卿。
とあります!これは見逃せませんね。
吉右衛門さんがご健在のころより後に初めて歌舞伎をご覧になった方も、きっとたくさんおいでのことと思います。そんな方にぜひにとおすすめしたい番組です。おすすめです!!
確かこれまで「古典芸能への招待」は再放送や見逃し配信などがなかったと記憶していますので、どうぞご注意くださいませ。NHKプラスやNHKオンデマンドなどの配信で対応していただけることを切に願っています。
今回の舞台映像放送で吉右衛門さんの当たり役に選出されている「松王丸」。
松王丸が主役となる「寺子屋」については、特に上演機会の多い演目のため、今後さまざまな役者さんの舞台をご覧になる機会があると思われます。過去の上演の際にお話したあらすじがありますので、ひとつまとめてみます。
あらすじを把握しますと、吉右衛門さんの芝居の素晴らしさが少しわかりやすくなるのではないかと思います。予習・復習など何らかのお役に立つことができれば幸いです。
あらすじ
そもそも寺子屋は、菅原道真の太宰府左遷を題材とした菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)という長い物語の四段目にあたる場面。文字通り、江戸時代の学び舎である寺子屋を舞台として起こる悲劇です。
「四段目の大当たりは大坂中はもちろん諸国の浦々山家の隅々までも響き渡る大評判」と評されるほどの名場面として長らく愛され、現代人の涙をも誘います。もっとも上演回数の多い演目としても知られます。