あす9日(水)は京都は南座で12月に行われる
京の年中行事
當る卯歳 吉例顔見世興行のチケット一般発売日です!
早くも顔見世の切符の準備をする季節、もう年の暮れが近いのですね。時の流れの速さに驚いております。現在、感染状況が徐々に悪化しているようですけれども、今年も無事に開催されることを祈っております。
京都の顔見世は冬の風物詩であり、毎年人気の公演です。特に土日にお出かけの方は、早めのチェックをおすすめいたします!
公演の詳細
一般発売日
11月9日(水)10:00~
会期・上演時間
2022年12月4日(日)~25日(日)
第一部 10:30~
第二部 14:10~
第三部 18:00~
休演:(月)、19日(月)
貸切:17日(土)第一部 土曜日のため注意
チケット料金
一等席 17,000円
二等席 9,000円
三等席 5,000円
特別席 19,000円
みどころ
京都祇園の冬の恒例行事「吉例顔見世興行」。毎年関西圏の方々はもちろん全国からもお客さんが駆けつけるお馴染みの公演です。今年も昨年に引き続き三部制で開催されます。
京都の顔見世といえば夜遅くまで上演されることで知られていますが、コロナ禍以降は比較的早く終演しています。今年もおそらく21時ごろには終わるのではないか…?と予想しています。新幹線の最終電車の兼ね合いもありますので、遠征なさる方はご無理のないよう何卒お気をつけくださいませ。
また、17日(土)の第一部は貸切です。週末を利用して遠征を計画されている方も多いかと思います。こちら何卒ご注意ください。
今回初めて歌舞伎をご覧になる方もおいでかと思いますので、各部のお芝居についてごく簡単にお話いたします。
第一部は「義経千本桜 すし屋」と舞踊「龍虎」
「義経千本桜 すし屋」は、壇ノ浦で滅びたはずの平家の武将・平維盛をかくまう一家の物語。どうしようもないドラ息子・いがみの権太と、そのお父さん弥左衛門の間に起こる悲劇であります。今回はいがみの権太を獅童さんがお勤めになります。
獅童さんが顔見世の舞台に立たれるのは実に24年ぶりとのことです!数年前の狐忠信に続き、義太夫狂言の大役に取り組まれていることを注目しています。南座の顔見世でお勤めになるのはさぞや重い意味を持つことと想像しますが、良い舞台となりますよう応援しております。
第二部は「封印切」「松浦の太鼓」
「封印切」は、恋人をめぐる言い争いのために、衝動的に死罪に至るほどの罪を犯してしまう男のお話です。冷静な目で見ればただのダメな人間なのだけれども、どうしてもその弱さに心を寄せてしまうという、上方の歌舞伎ならではの味わいがあります。テレビドラマ等ではこうした味わいを描くのは難しい時代になってきました。せめて歌舞伎の舞台でだけはいつまでも残っていてほしい、そんな美しさがあります。
「松浦の太鼓」は、いわゆる忠臣蔵として知られる赤穂浪士討ち入り事件を題材とした演目。討ち入り前日から当日にかけて、赤穂浪士のひとり大高源吾と吉良邸隣家の松浦鎮信の間に起こる出来事を描きます。松浦候はチャーミングな役どころで、忠臣蔵を題材としたものとしては珍しくホッコリ感のある演目です。
秀山十種のひとつに数えられることもあり、吉右衛門さんのイメージが色濃い松浦候。なんと仁左衛門さんが松浦候をお勤めになるのは実に20年ぶりとのことで、大変貴重な機会です…!!
第三部は舞踊「年増」と「女殺油地獄」
「女殺油地獄」は、近松門左衛門による名作。商家のドラ息子による衝動的な殺人を描いています。「金が欲しくてやった。今は反省している」という淡々としたニュースの文言が浮かぶような現代にも起こりうるお話で、若者のいびつな心と親心の甘さを見事に描いた近松門左衛門の力を感じます。
特に、油まみれになって油屋の奥さんを襲う殺人シーンは必見です。主役の与兵衛は愛之助さん、油屋女房お吉は孝太郎さんということで、濃厚なドラマが味わえそうです!
初めての方におすすめなのはやはり第二部です。どちらも名作演目ですし、京都の冬の風情にぴったりの二本立てだと思います。このすえひろも仁左衛門さんの松浦候を楽しみに、今年も京へ馳せ参じます!年の暮れが楽しみです。