ただいま歌舞伎座で上演されている壽 初春大歌舞伎!
第二部で上演されている「壽恵方曽我」は、歌舞伎のお正月ではお馴染みの存在である曽我兄弟およびその周辺人物が登場する舞踊です。今回は白鸚さん、幸四郎さん、染五郎さんの高麗屋三代がそろい踏みでお勤めになっていることでも話題を呼んでいます。
曽我兄弟およびその周辺人物たちが登場する「壽曽我対面」という有名な古典のお芝居があり、今回の舞踊でも全体的にそのスタイルを踏襲しています。「壽曽我対面」の内容を押さえておきますと、舞台で一体何が起こっているのかわかりやすくなるのではないかと思います。
曽我兄弟は姿を変えてさまざまな演目に登場しますので、大枠を覚えておくと大変便利です。芝居見物や放送、配信などのお役に立てればうれしく思います。
そもそも寿曽我対面とは?
寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)とは、江戸時代に人気を博した「曽我物語」を題材とした演目。「対面(たいめん)」とも呼ばれます。
「曽我物語」は曽我十郎・曽我五郎の兄弟が、周囲の人に助けられながら父の仇・工藤祐経を討つ…というシンプルな仇討ちの物語で、鎌倉時代初期の実話を基にしています。
この演目で描かれるのは曽我兄弟が工藤祐経に会う、つまり対面するというだけの場面です。ストーリーというよりもシーンといったところです。
まずは前提となる情報についてお話したのがこちらの回です。
ざっくりとしたあらすじ
曽我兄弟はその後どうなったのか?
あらゆる演目に登場する有名な曽我兄弟が、その後一体どうなったのかということは、現行のお芝居ではあまり上演されません。兄弟の結末についてお話したのがこちらの回です。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」と曽我兄弟
工藤祐経と曽我兄弟は、昨年放送され話題を呼んでいた大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも登場していました。ドラマを拝見し、演目に絡めて思ったことなどをつらつら述べているのがこちらの回です。ドラマをご覧になっている方にはなにかしら楽しんでいただけるかもしれません。
浮世絵の曽我兄弟
曽我兄弟及び曽我物を演じる役者は浮世絵にもたくさん登場します。広重が手掛けたシリーズをご紹介したのがこちらの回です。
「対面」の場面の前の場面
「対面」の場面は非常に上演頻度が高いのですが、その前の「鶴岡石段」の場面はなかなか上演されません。マニアックなお話でこれをご存知なくとも充分楽しめますが、ご興味をお持ちでしたらぜひご一読ください。
曽我五郎はなぜ超人?
くまどりを施しパワーみなぎる曽我五郎は、超人的ヒーローを表現する「荒事」という様式で演じられます。なぜにそんなに五郎をパワフルに描いたのだろうか?ということについてお話したのがこちらの回です。