ただいま浅草公会堂で上演中の新春浅草歌舞伎!
新春浅草歌舞伎は、若手花形役者の方々によるお正月恒例の公演。1980年から続く若手登竜門として地域の方々にも愛されています。新型コロナウイルスの感染拡大や補修工事などの影響により、実に三年ぶりとなる開催です!
今回も松也さんを中心とする20~30代の方々が、古典演目の大役に挑まれています。近ごろは若手の方々が新作歌舞伎で華々しくご活躍になる機会も増えていますが、古典への挑戦はそれらとはまた違った味わいがあり、歌舞伎役者の方々の青春を垣間見るような熱気みなぎる公演です。
第一部で上演されている「男女道成寺」は、数ある歌舞伎舞踊のなかでも豪華絢爛な名作中の名作として知られる「京鹿子娘道成寺」の男女アレンジ版といったような演目です。今回は巳之助さんと新悟さんがお勤めになります。お二人の踊り比べが楽しみですね!
スタンダードな「京鹿子娘道成寺」については過去に上演された際にいくつかお話したものがありますので、ここにひとつまとめてみます。何らかのお役に立てればうれしく思います。
そもそも京鹿子娘道成寺とは
京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)は、歌舞伎の女形舞踊の最高峰とされるもの。豪華絢爛に、ときに可憐に、さまざまな恋模様が描き出され、めくるめく美しさのオンパレードで夢心地のひとときを過ごす…という演目であります。
この演目の下敷きになっているのが、紀州の道成寺に伝わる安珍清姫伝説です。
清姫という娘が旅の僧・安珍に惚れてしまったのだが逃げられ、怒り狂って超高速移動をするうちに蛇体となってしまい、安珍が道成寺の鐘に逃げ込んだところを鐘ごと焼いた…というしゃれにならぬ恐ろしさのお話であります。
ざっくりと流れをつかむ
詞章の内容とともに踊りの内容をご紹介したのが以下の回です。内容をご存知なくとも十分に楽しめますが、念頭に置いておきますと役者さんの表現している世界がどんどんおもしろくなるように思います。
演出用語
京鹿子娘道成寺にまつわる歌舞伎の演出用語についてご紹介したのがこちらの回です。道成寺に限らずさまざまな舞踊に使われるものですので、お役に立つかと思います。
道成寺ゆかりの地
安珍清姫伝説ゆかりの地についてご紹介したのがこちらの回です。